sun-set Football

三ツ沢からフットボールを観測

戦術展望・注目ポイント(1月23日時点)【2026】【J2・J3百年構想リーグ】【横浜FC】

「インプレッシブサッカー(感動を与えるサッカー)」が、そのベールを脱ぐ瞬間を楽しみに待つ今日この頃。

キャンプの情報を見る限り、今季のフォーメーションは、3-4-2-1をベースに進めていく可能性が高そうだ。

そして須藤監督は今季、「ハイプレス」を最重要テーマとして掲げていることが、ここまでの発言からも伝わってくる。
いわゆる「ボールを持って大事に繋ぐ」こと自体を目的にするというよりは、
「激しく奪い、素早くゴールへ向かう」ことを優先し、その過程としてのビルドアップや繋ぎは許容する。そんなスタンスに見える。

攻守一体となったサッカーを目指している印象だ。

このアプローチは、これまでの横浜FCが積み上げてきた「守備を起点とするチーム像」を、
須藤監督なりに解釈し、昇華させようとする青写真なのかもしれない。

目指すのは、「超攻撃的な守備」、あるいは「攻撃のための守備」と言うべきか。
言い換えれば、
「攻撃的」(須藤監督)×「守備的」(横浜FC
その融合が、今季のテーマになりそうだ。

ここではまず、その前提を踏まえたうえで、
軸として想定される「ハイプレス&ショートカウンター」について、
注目したいポイントを整理してみる。

 

前に出るための設計

ハイプレスとショートカウンターの成功率を高めるためには、
前線に多くの人数をかけ、チーム全体として前に出ていくことが欠かせない。

 

攻撃面

前に出ていく意識と同時に、攻撃の原則である
「深さを作る」「幅を取る」ことも忘れてはいけない。

相手をAサードに押し込んでいる状況であれば、縦をコンパクトに保つことの方が重要になる場面もある。ただ、それ以外の多くの局面では、相手守備を攻略するためにも、
またボールロスト後のリスク管理という意味でも、深さと幅は攻守両面で大きな意味を持つ。

仮に全員が縦へ縦へと突き進むだけの形になってしまえば、
相手を効果的に崩せず、ボールも繋がらず、
ボールを失った瞬間に一気にピンチを招く。
そんな展開が続くことも十分に考えられる。
もちろん、チームとしてはそのような状況は避けてくるはずだ。

前へ出るエネルギーと、決め事を守る冷静さ。
そのバランスをどう保つかが、チームスタイルの質を大きく左右する。

少し難しい言い方をしたが、要点はシンプルだ。
「前に出る人数」と「後ろに残る人数」、
そしてそれぞれの立ち位置を、どのように整理・共有していくのか。
ここは、開幕から特に注視したいポイントになる。

前三枚(CF+SH×2)が基本的に前に出る前提とした場合、例えば次のような形が考えられる。

(それぞれ右肩上がりで図解)


↓例①:WBが前進 → DMやCBがカバー

f:id:sunset_football:20260123174818p:image
↓例②:SHがサイドへ流れる → DMが前進 → WBとCBがカバー

f:id:sunset_football:20260123174707p:image
↓例③:CFが一列下がる → SHやWBが前へ出る

f:id:sunset_football:20260123174850p:image

 

あくまで一例だが、他にも選択肢はいくつもある。
どの形をベースにするのかは選手の適性によって大きく変わるはずで、
それによって起用されるポジションや役割も変化していくだろう。

理想を言えば、相手や試合状況に応じて複数の形を使い分けたいところだが、
まずは開幕に向けて、一つの軸を作る段階かもしれない。

↓構成例①: WBが上がるサイド攻撃重視

f:id:sunset_football:20260123174939p:image

↓構成例②: DM(ボランチ)が上がる中央重視

f:id:sunset_football:20260123174949p:image

 

守備面

ハイプレスで重要になるのは、
「どのように相手を規制し」「どこで奪うのか」、そして「どのような攻撃へ繋げるためなのか」という共通認識だ。

全員がバラバラにボールを奪いに行ってしまうと、どうしても個々の能力に依存する形になってしまう。
また、いくら数的優位を作れても、連動がなければ、相手の技術が一定以上である限り、簡単にはミスを誘えない。

結果としてプレスが空回りに終わり、前進を許し、数的不利の状態でDサードを守ることに。
ハイプレスにおいて、最も避けたい展開に陥る可能性もある。

だからこそ重要なのは、無闇に奪いに行くのではなく、
「どのコースやプレーを制限しながらプレスをかけるのか」。
そして、その先で「どこで奪うことをチームとして狙っているのか」。

さらに言えば、その奪い所が「どのような攻撃につなげるために設定されているのか」。
そこまでが一つのセットとして整理されているかが鍵になる。

それらが、どこまでチームに落とし込まれているのか。
また、攻撃と守備の意図がしっかり噛み合っているのか。
この点にも注目したい。

例えば、
前線からパスコースを制限し、楔パスを誘導 →予測をアドバンテージにDMの位置で奪取 →
(最もチャンスに繋がりやすい)中盤の中央からショートカウンター
少ない手数でゴールへ迫る、という形だ。

これも一つの例に過ぎないが、
中央で奪うにしても、サイドで奪うにしても、チームとして「ハイプレスの目的」と「その後の攻め方」を明確にし、共有できているかどうかが何より重要になる。

 

最後に

現時点では、まだ多くのことを試している段階だろう。
TM(トレーニングマッチ)などで採用されているプランや選手起用も、まだまだ変わる可能性がある。

監督、選手、チームそれぞれに、譲れない部分と、すり合わせが必要な部分が出てくるはずだ。

その中で、柔軟にトライを重ねながら、一つの形を作り上げていってくれることを期待したい。

キャンプを経て、このチームがどんな選択をし、どんな姿で開幕を迎えるのか。
今からとても楽しみだ。

レビュー|第35節【2025】【J1】【横浜FC】

J1 第35節 柏レイソル vs. 横浜FC

f:id:sunset_football:20251027164108p:image

攻撃の連携 vs 守備の連携。

柏は人とボールを動かしながら、連動した攻撃で守備を崩しにかかる。一方、横浜FCはマークを素早く受け渡しながら、連携の取れた守備でフリーの選手を作らないよう、人で人を捕まえていく構図。

 

横浜FCとしては狙い通りに守りながら、カウンターからゴールに迫る場面もあった。

柏はやや攻めあぐねつつも主導権を握り、危険な場面を凌ぎながら試合を進めた。

互いにおおむねプラン通りに運び、高い強度で攻防が続いた前半だったが、交代をきっかけに後半に試合が動く。

 

柏は交代で入った選手がさらに強度を高めた一方、横浜FCは交代選手がうまく試合に入れず、それまでの強度を失ってしまう。

少しずつ守備に綻びが生まれ、マークがズレ始め、スペースやフリーの選手を作られる展開に。守る時間が増える中で、自由を与えた相手選手に隙を突かれ、立て続けに失点を喫した。

最終的には、チームの完成度=層の厚さが、勝敗を分ける結果となった。

 

それでは振り返っていきましょう。

(文章を少しでも短くするため、敬称略ですのでご了承ください。チーム内で苗字が他の選手と被っている場合は、両選手を名前にて記載。例: 鈴木準弥選手→準弥)

メンバー表

f:id:sunset_football:20251027164112p:image

交代

【後半0分(HT)】

櫻川 ソロモン ▶️ 窪田 稜

【後半14分】

ジョアパウロ ▶️ アダイウトン

【後半30分】

福森 晃斗 ▶️ 新保 海鈴

ルキアン ▶️ 鈴木 武蔵

【後半44分】

山田 康太 ▶️ 小倉 陽太

 

全体評

90分の変化

横浜FCの守備の強度が、柏の攻撃の強度を上回っていた前半

この試合におけるだいたいの定位置は下図のようになった。

前半に限って言えば、横浜FCの守備の強度が柏の攻撃を上回り、狙い通りの展開に持ち込めていた。
柏はボールを保持しながらも、危険な形をほとんど作れずにいた。

横浜FCは引いて守りっぱなしにはならず、ボールが下がればラインを上げる、それを繰り返しながら、ミドルブロックを形成。
ボール付近で数的同数を作れればハイプレスに出るなど、プレスに行く・行かないの判断も局面を見極めながら冷静に行えていた。
無理をせず、的確な判断で強度を維持していたのが印象的だ。

柏はパス交換を繰り返しながら、選手がポジションを次々と入れ替える非常に流動的な攻撃を展開。
それに対して横浜FCは、一対一で潰すようなマンツーマン気味の対応を取りつつ、定位置を大きく崩さずに対応ができていた。
深追いはせず、相手の縦関係が入れ替われば素早くマークを受け渡し、自分はすぐに余りそうな選手を捕まえる。
こうした連携で柏の攻撃をうまく消し続けていた。

一人が二人を見るような“漏れ”を作らず、二人で一人を見るような“ダブり”も作らない。
その徹底がチーム全体に共有されていた。

「ボールは勝手にゴールへ入らない。必ず誰かが入れる」。
危険なエリアで自由を与えず、一対一を制して封じる守備ができているうちは、失点のリスクを最小限に抑えられる。
前半の横浜FCは、まさにそれを体現していた。

 

交代がもたらした明暗 - 柏の強度維持と横浜FCの失速

前半を受けて、柏はボールを持てていることに満足せず(「このままいけば点が入る」とは考えず)、横浜FCにうまく守られていると判断したのか、ハーフタイムで早くも動いてくる。

モビリティや連携、守備面に特徴のある選手を減らし、ドリブルで仕掛けられる選手や、背負ってボールをキープできる選手を投入。
一対一の強さをベースにする横浜FCの守備を、正面から上回る構成へと変えてきた。
この”数的同数のまま個の力で打開する形”は、横浜FCにとって今季ずっと苦しめられてきたパターンであり、柏も漏れなくそれを実行してきた。

一方の横浜FCもハーフタイム明けに動く。
窪田やアダイウトンといった、攻撃で違いを生める選手を投入。
ただこれが…結果的に、守備面での判断ミスが増え、前半に見せていた高い守備強度を失ってしまうことに繋がる。

たとえば、窪田が深くまでマークについていって、後ろの山根と被り、上がってきた左CBやWBの選手をフリーにしてしまう。
そこへ近くのララがカバーに入ることでマークが連鎖的にズレ、バイタルエリアで自由にミドルやキーパスを許す場面が増えた。
さらに前半から出ていた選手の足も止まり、ラインが下がり気味に。
結果として、柏に押し込まれる時間が長くなった。

逆に柏は、投入したフレッシュな選手が機能し、攻撃の強度を一段と高める。
両チーム交代の影響が色濃く出て、試合はあっという間に動く(立て続けに2得点)。

上位チームは、後半にペースを落とすどころか、むしろ上げてくる。
交代で強度が落ちてしまうと、相手も同じように落ちてくれない限り、勝利は難しい。
横浜FCとしては、本来は交代によって前半の守備強度を維持したかった。
だが、代わって入った選手が守備にうまく入れず、結果的にチーム全体の強度を保てなかった。

今後に向けては、まず戦術理解度を含めたチーム全体の力を高めること。
さらに、今節のように交代で守備の強度が下がる局面では、攻撃の強度を上げるなど、別のプランに移行できる柔軟さも必要だ。
守備と攻撃を合わせたトータルの強度を保ちながら、90分を通して「変わらず強度を保つのか」「変えて強度を保つのか」。そのマネジメントが、上位相手に勝ち点を拾う鍵になる。

 

なかなか形にならない攻撃

ロングボール主体のダイレクト・プレー

チームの狙いは、ロングボールを軸にしたダイレクトプレー。
攻撃のスタート位置(敵陣では味方も敵も少なく、スペースがある)と、前線の特徴(対人に強い)を考えれば、シナジーの高い選択と言える。
スタイルとしては決して間違っていない。

しかし現状では、それが形にならず、得点までつながった場面も再現できていない印象だ。

まず、理想とする攻撃の流れを3つのフェーズに分けて整理してみたい。

① ボール奪取 → できるだけ早く正確に前線へつける
⬇️
② ボールを収めて味方の押し上げを待つ&一人でも多く押し上がる
⬇️
③ 少ないプレー回数(パス・ドリブル)でシュートまで持ち込む

この3段階が、チームが目指す基本形であり、最も期待値の高い攻撃パターンといえるだろう。

 

① ボール奪取 → できるだけ早く正確に前線へつける

まず最初のフェーズは、ボール奪取から前線への展開。
ここは単純に、キックの質が足りていない。前線で収めるためのパスが2本に1本以上、ソロなどのターゲットに届いていない。
今節も「蹴っては相手に渡り、ロスト」という形が繰り返された。

改善策として、もちろんキック精度を高めることが第一だ。
だが、質が伴わない原因の半分以上は、蹴る時の状態が悪いことにもある。
そこは「サポートの意識」が足りていない。

今のチームは「奪ったらすぐ蹴る」「蹴る以外の選手は前へ走る」に偏っており、蹴る選手が窮屈な状態でプレーしている。
寄せられて余裕がなく、結果としてミスキックや無理なコースが増えてしまう。

理想は、ポゼッション志向ではなくとも、良い体勢で蹴る選手を作ること。
ボール奪取後は、近くの味方と1〜2本だけ短くつなぎ、蹴るための準備を整える、その意識をもう少し高めたい。

現体制も煮詰まってきて、今はダイレクトに蹴る意識ばかりが強くなってきているように感じる。
前体制時はサイドで△を作って繋げる意識が強すぎた。
蹴る意識と繋ぐ意識のバランスは、それこそ体制変更時が変化の過程でちょうど良くなっていた感もあり、今度は狙ってそこへ持って行けたら面白そうだ。

 

② ボールを収めて味方の押し上げを待つ&一人でも多く押し上がる

ロングボールを蹴れば、当然ボールだけが敵陣へ飛んでいく。
守備位置から瞬時に追いつけるわけではないため、前線の選手がボールを収めて味方が押し上がる時間を作る必要がある

今節は、ボールを収めても押し上がりを待たずにパスを出したり、一人で仕掛けてしまう場面が目立った。
これでは攻撃の人数が足りず、相手DFにとっても読みやすい展開になる。

結果、ボールを奪ってもすぐロストという悪循環が続いた。

ソロモンのように背負うだけが時間を作る方法ではない
アダや武蔵にもそれぞれの形で時間を作れるプレーが見られる。
チームとして収まる・失うパターンを整理して、「押し上がりを待つ間の形」を明確にしたい。
あとは、思い切って今より多くの選手が押し上がる時間を限定的に増やすのも面白そうだ。

 

③ 少ないプレー回数(パス・ドリブル)でシュートまで持ち込む

①②がうまく機能した場面では、時間をかけず、人数をかけた良い形の攻撃がいくつか見られた。
ここまで運べれば、相手は下がりながら守るため、前を向ける攻撃側が数的同数でも優位になる

実際にゴールに迫る場面もあったが、決め切れず。
それは単純な決定力の問題だけでなく、前線の連動性と距離感の悪さも影響している。

今は、前を向いた際に各選手がそれぞれにスペースを探してバラバラに動いてしまっている
理想は、メインターゲットから逆算した位置取り
横のレーン、マイナスの位置など、近い距離で連動することで攻撃に厚みを持たせたい。
それができれば、溢れても味方に届くことや、相手DFがマークの判断を誤るなどが期待できる。

守備側にとっても、起こりうる状況が“足し算”から“掛け算”になるような連動は、より脅威となる。
攻撃を“個の勝負”から“複数の選択肢が連動する仕組み”へと昇華できるかが、今後の鍵だ。

 

個別評

(採点 + コメント)(10.0点満点,及第点を6.0に設定)(試合結果を採点に反映: 勝利時の平均を7.0、敗戦時の平均を5.0に設定)(出場時間35分以下は採点無し)

 

GK

ヤクブ スウォビィク: 5.5

安定したプレーと継続的なコーチングで守備を支えた。それでも2失点はいずれも個人としてはノーチャンスだったものの、もう少し味方DFを上手く動かしたかった場面も。シュートストッパーとしてだけでなく、最終ラインの頭脳としての存在感にも期待したい。

 

市川 暉記: -

 

DF

岩武 克弥: 5.5

ボニ不在の中で、いつも以上に最後に入って危険な場面を回避していた。安定した守備でチームを支える。

福森 晃斗: 6.0

この試合でも守備の責任感を強く感じた。自身のエリアやマークをしっかり守りつつ、クリアを一つでも多くパスに変えて、守るだけにならないよう意識していた。キックの質は相変わらず文句なし。カウンターのスタート時に、もっと福森にボールを集めたい。

伊藤 槙人: 5.5

ボニと比較すると守備範囲などで見劣りする部分はあるが、基本的なタスクをしっかりこなし、ボニを欠いたチームを救うプレーはできていたはず。今節の真ん中での経験を、次節以降左右CBでのプレーに活かしてほしい。どこでボールを受けて欲しいのか、いつだと前に出て行っても平気なのか、など。

 

山崎 浩介: -

 

MF

山田康太: 6.0

攻守での献身性はもちろん、ここ最近ずっと求めていた「技術に裏付けられた積極的なドリブル」を特に評価したい。ボール奪取から一人で3人ほどのプレスをかわし、その後の展開の質を大きく引き上げた。

ユーリ ララ: 5.5

柏のポジショナルプレーに惑わされることなく、細かくポジションを変えながら賢明に守備を続けた。反面、柏をリスペクトしすぎたのか、少し大人しい印象も。クレバーなのは素晴らしいが、多少強引にでもボールを奪いにいく怖さを出してこそララ。次節に期待したい。

山根永遠: 5.5

フェイントで相手を誘い、パスを出させてインターセプトするなど、前向きな守備が光っている。守備が良いだけに、攻撃時のキックの質が伴わないのが惜しい。真面目さゆえに周囲を見逃して無理な体勢から前線へ蹴ってしまう場面も増えている。もう少し肩の力を抜いて、味方を使いながら展開できると◎。

細井 響: 5.5

最近はCBよりWBの方がしっくりきている印象。来季彼が戦う舞台をJ1にするためにも、絶対に残留を果たしたい。

 

小倉 陽太: -
遠藤貴成: -
新保海鈴: -

 

FW

櫻川 ソロモン: 5.5

HTで交代。ボールがほとんど来ない中でも、来た時にはしっかり収めて溜めを作れていた。2度のチャンスシーンにも関与。交代の意図は不明だが、負傷でないことを願う。

ルキアン:5.5

前半に決定的な場面を迎えるも決めきれず。守備の貢献は相変わらず高いが、本職FWとして結果が欲しい。気持ちを切らさず挑み続けてほしい。

ジョアパウロ: 5.5

今節はキックを含めプレー全体の質が上がらず。コンディションがやや落ちているようにも見える。しっかり休んで次に備えたい

窪田 稜: 5.0

攻撃で違いを生みたかったが、その前に守備で柏のポゼッションに振り回され、自身のエリアを空けてしまう場面が多かった。守備面は途中加入ゆえ仕方ない部分もあるが、攻撃面でチームメイトと連携が取れるようになると大きな武器になる。

アダイウトン: 5.0

投入直後に単騎突破で存在感を示すも、その後はやや沈黙。戦術理解が進み、うまく攻守に動けるようになった反面、加入当初の“めちゃくちゃさ”が薄れた印象。チームプレーも大切だが、アダにはもっとゴールだけを見てほしい。

 

鈴木武蔵: -
伊藤 翔: -

 

今節はここまで

残り3試合で、残留圏のF・マリノスとの勝点差は5(得失点差13)。いよいよ後がない。

ここまでの経緯を踏まえれば、事実上のチェックメイト、まともに考えれば、降格はほぼ避けられない。

 

ならば、まともに考える意味はもうない。

極端な意見かもしれないが、その先に待つのが降格なら、いま必要なのは“思い切った戦い”だと思う。

しかも、選手もチームも心から楽しめる戦い方を。

厳しさだけでは、うまくいかない瞬間に簡単に折れてしまう。けれど「楽しさ」があれば、最後までやり切ることができる。

 

対戦カードを考えれば、手堅く戦う選択もある。

だが、それでは“手堅く降格する”未来が待っているように感じる。

 

思い出してほしい。

ルヴァン杯ベスト4・広島戦。ホームではまともに戦って力負けし、アウェイでもそのまま手堅く戦って、やっぱり力負けしてしまった。

あのとき、ただ堅くやってしまったことが今でも悔やまれる。

あの試合で“攻撃に割り切った別のやり方”を試していれば、今ごろチームには敗戦以外に、別のオプションが残ったかもしれない。

 

ルヴァン杯ベスト16・C大阪戦では、ただ“4点を取ることだけ”を考えて準備した。

結果的にGKの退場にも助けられたが、そういったミラクルを呼び込む勢いがあった。

 

堅実に守備中心でやってきたチームが、いま初めて「攻撃だけを考えていい」状況にある。

この状況を前向きに捉えて、ワクワクしながら次の試合に向かってほしい。

 

今節も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

それでは、また次節で。

レビュー|第34節【2025】【J1】【横浜FC】

J1 第34節 横浜FC vs. 名古屋グランパス

f:id:sunset_football:20251020173553p:image

今節は得点(失点)が多く、試合の展開が得点ごとに変化したため、時間の流れの順でそれぞれの場面を振り返っていく。

(文章を少しでも短くするため、敬称略ですのでご了承ください。チーム内で苗字が他の選手と被っている場合は、両選手を名前にて記載。例: 鈴木準弥選手→準弥)

メンバー表

f:id:sunset_football:20251020173558p:image

交代

【後半15分】

福森 晃斗 ▶️ 伊藤 槙人 

ルキアン ▶️ 窪田 稜 

【後半23分】

櫻川 ソロモン ▶️ 鈴木 武蔵

【後半33分】

ジョアパウロ ▶️ アダイウトン

 

全体評

主導権を握られる厳しい展開

名古屋ボールでキックオフ。開始から名古屋は、ロングボールも使いながら横浜FCのCB脇(WBの背後)で起点を作り、シンプルにゴールへ迫る。

横浜FCも空中戦で負けじと競り勝ち、ロングボールで押し返そうと試みるも、風でボールが押し戻されてしまう影響もあって、なかなか押し返すことができず。

押し込む展開もあって、セットプレーを多く得た名古屋。左足のマテウス、右足の森島、どちらもキックの名人。質の高いキックは風に乗って、何度も横浜FCのゴールを脅かした。

危険な場面が続いたその流れで、前半6分、CKからさっそく得点を上げた名古屋だったが、オフサイドの判定でゴール取り消し。原(オフサイドポジション)によるコンタクトの影響でクバのクリアが不十分になったと判定された。

横浜FCは、試合開始から高い水準のセットプレーから危険なシーンが連続したが、一人一人が自身のマークを見失わずに潰す、しっかり集中を切らすことなく守り切ることで、失点未遂はありながら、名古屋の強襲に耐え、開始早々の失点を避けることに成功。

 

ここから前半の中盤に入り、徐々に試合の流れは安定していく。

サイドで起点を作る狙いで、少しボールも人も動かしながら、ロングポゼッションでじわじわ押し込む名古屋。

対して横浜FCは、ある程度押し込まれることは許容しながら、ミドルブロックで守り、奪ってからダイレクトに前線へボールを落とす、少ないタッチで相手DFの背後を狙うことを徹底。

 

得点①:前半20分【得点:櫻川 ソロモン - アシスト:福森 - プレアシスト:パウロ

やっと得た最初のチャンス(深い位置からのロングスロー)から一連の流れは始まる。

PAに飛んだロングスローは名古屋に弾かれてしまうが、すぐにボールを回収。

セットプレーの後で、横浜FCは前荷重のまま攻撃を継続、名古屋は上がり切れず後ろ荷重だったことで、苦手なポジティブトランジションを省略して押し込めたことが大きかった。

一度戻すが、時間をかけずクバから一気に前線で攻め残ったボニへロングボールを当てる。名古屋のクリアミスをルキアンが拾ってサイドへボールを運び、山根とパス交換。

ララが走って(相手マークがララについていって)できた背後のスペースに入ったパウロへ斜めの鋭いパスを通す。

良い位置でパウロがボールを持つ。少し密集した場所にはいたが、ターンをしながらボールをキープ。相手がそこまで寄せてこなかったため、余裕を持って周囲をよく見る。最終ラインから上がってきた福森へスピードも長さもピッタリのパスをつける。

福森、得意な場所で前向き&フリーでボールを受ける。ここで自由に蹴らせてくれるならこの人は絶対に外さない。一つコントロールして、冷静にピンポイントクロス。速いクロスではなく、置きにいくようなボール。

福森がボールを持った時に、ちょうどソロモンが立っていた正面辺りの空中で待ち合わせという狙い。

ただソロモンはそこへ真っ直ぐ入るのではなく、福森が蹴る前に、一度ニアに動くフェイントを入れてDFをうまく剥がす。

待ち合わせ場所へ福森がピッタリとボールを届け、ソロモンもそのタイミングでフリーになってそこへ入ることに成功。

無理なくクロスをファーへ決めて先制!

粘り強く守って、ワンチャンスを見事に決め切った。

 

先制点後も流れは変わらず

名古屋としては、失点こそしたが主導権を握りながらゴールへ迫ることはできているし、HTまでは変にプランを変える必要もなく、そのまま継続。

ボールも人も動かしながら、少し自由に森島が動くようにはなったが、変わらず質の高い長短のパスを中心にロングポゼッション。全体も押し上がりながら、サイドを起点に押し込む。

横浜FCとしては、しっかり守りながらワンチャンスを決めてリードを守る理想的な展開。こちらもプランを変えることなく、ある程度押し込まれることを許容しながら、ミドルブロックで守り、奪ったらダイレクトに前線へボールを落とす、少ないタッチで相手DFの背後を狙うことを、引き続き徹底。

名古屋が個の質も伴いながら非常に良い攻撃ができていた中で、横浜FCは最後のところで何とか守り切ることができていた。

互いの意図が合致したこともあって、そのまま均衡は崩れることなく前半終了。

 

プラン変更の名古屋と、それに問題なく対応した横浜FC

HTを経て、先に動いたのは名古屋。

前半も決して悪い内容では無かったと思うが、逆にあれだけ攻めても横浜FCを攻め落とせなかったこと、加えて後半は風下に回ることもあって、そのまま後半に入ってしまうと、前半よりむしろ主導権を握りきれないまま、守備がそこまで安定していないため、得点だけできずに失点と、前半と同じ展開も十分に考えられる状況。

具体的に、名古屋はまず、ロングボールを減らして風の影響を受けないショートパスを増やす。CBがボランチの位置に入って、数的優位を作りながら、狙いもサイドから中央突破に切り替える。サイドももちろん使うが、先ほどよりは縦を狙うというより、中に開いて、カットインカットインで、外はあくまで経由しながら中で崩していく意識を強めた。

これにより、ゴールへ迫る圧力は若干減ったものの、前半以上に名古屋はボールを保持する時間を増やしていく。

ただ横浜FCもこれに対して、全体が引きすぎることなくミドルブロックで守る&チャンスがあればプレスをかけるという姿勢は変えずに、ボランチがサイドのサポートに行く頻度を減らして、中央の人数を増やしながらしっかりと守備対応。

もちろん奪ってからソロモンを経由する攻撃は継続して、セットプレーから再びゴールへ迫る場面も作る。

この辺り、相手の攻め方に合わせて守り方を変える部分をスムーズにできているのが、今のチームの良い所。マンツーマン気味に守っているため比較的変更が簡単なのと、ピッチ上で状況を判断してプレーを変えれる選手(山田)が中央にいることが大きい。

 

失点①:後半26分【得点:稲垣 祥 (PK)】

この日再三与えてしまったセットプレー(CK)。これだけ打ち込まれれば確率的に1回は何か(PKなど)が起きてもおかしくないな…という状況で、案の定コトが起こる。

森島が蹴ったボールをこの日空中戦を勝ちまくっていた山田がクリア。だが、その前にファールがあってPKの判定。

ボニがマークに付いていた藤井に上手く剥がされてしまい、前に入られそうになったのを、後ろから明らかにホールディングしてしまってファール。本人としては少し邪魔をして相手が自由に入れないようにだけしようとしたのだろうが、そのコンタクトの強度を誤ってしまった。

森島のクロスは結果的に別の方向にいって、仮にボニが邪魔をしなくても藤井は綺麗にシュートまではいけなかったようにも見え、また今はVARもあるためこのプレーはどうやってもファールを取られていたことを考えれば、不用意なプレー(ファール)となってしまった。

PK:稲垣シュートモーションに入る。クバが動いたのをチラッと確認して、ど真ん中へ丁寧なシュートを決めて同点。

 

失点②:後半35分【得点:佐藤 瑶大】

同点になった後はオープンな展開に。

リスクを取ってゲームをコントロールすることをやめた名古屋。その名古屋に出来た隙を突いて攻撃の成分を増やす横浜FC

どちらもゴールへ迫り、どちらにもセットプレーがあった中で、再び名古屋がセットプレー(CK)から決めて来る。

CKから、しっかりとクリアができず(浅くなって)、名古屋にボールを連続して回収されてしまっていた流れで、PAの端で河面へ良い形でボールが入る。

ボニもすぐに反応して寄せようとするが、寄せ切る前に鋭いボールをDFラインとクバの間に入れる。ボールは、ゴールのファーサイド、ここしかないという絶妙なコースに飛ぶ。

ボニがブラインドになったのか、速いボールだったこともあり、クバはわずかに触れることができず、そのままゴールかという所だったが、予測してカバーに入っていた山田がなんとか触ってコースを変える。

ただ、溢れたボールへ誰よりも先に反応した佐藤が押し込んで逆転。

佐藤の他に溢れに関与できそうな位置にいたのは武蔵だったが、少しボールウォッチャー気味になってしまっていた。この辺りの試合勘は早々に戻したい。

 

逃げ切りたい名古屋と猛攻を仕掛ける横浜FC

リードしたため、自陣にガッツリ引いてクリア(永井を走らせて)をしながら、とにかく逃げ切りを図る名古屋。

アタッキングサードで自由にボールを持てるようになった横浜FCは、全員で押しあがってパワープレーで猛攻を仕掛ける。

四方さん体制の時はあくまで「サイドでポゼッションしてからクロス」というのが基本で、その影響もあって、パワープレーに出たい時もその基本とこんがらがって中途半端なパワープレーになってしまっていたのだが、文さん体制以降、ダイレクトプレーを徹底してきたことで、パワープレーの強度は格段に上がっている印象を受ける。

シンプルかつ相手にとって怖いプレーを連続してできることで、名古屋をますますゴール前へ押し下げていたし、これは今後も使える大きな武器になる。

 

得点②:後半49分【得点:伊藤槙人】

何度も何度もゴールに迫り続け、ようやく得点が生まれる。

細井のロングスロー、シンプルにPA中央に入れてくる。高い打点で3人が競り合い、名古屋の選手が触る。ただクリアは不十分。

溢れた先に待っていたのは山根。ダイレクトシュートの構えを見せるが、これはフェイントになって、冷静に一つコントロールを入れてから余裕を持ってふわっとしたクロスを入れる。

最近は強烈なミドルを見せてきたことで、このシーンは相手も山根のシュートフェイントが効いて飛び込みづらかった。

クロスは再び名古屋の選手が弾くも、これもクリアが浅くなって、PA内槙人の元へ溢れる。

色々考えずに、ボールだけを見て、集中してコントロール、少し弾んだボールにしっかりミートして足を振り切る。鋭いシュートはバーに当たってゴールへ吸い込まれる。

この時の集中力は凄まじかった。ボールの入る場所の予測、ゴールの感覚、集中力、一つでも欠ければ生まれなかった素晴らしい同点弾。

Fマリノスとの勝点差3(得失点を含めると実質4)が付いてしまいそうだったのを、勝点差2に留めた値千金のゴールとなった。

 

個別評

(採点 + コメント)(10.0点満点,及第点を6.0に設定)(試合結果を採点に反映: 勝利時の平均を7.0、敗戦時の平均を5.0に設定)(出場時間35分以下は採点無し)

 

GK

ヤクブ スウォビィク: 6.0

今節は上空の風が強く、キックに大苦戦。強い向かい風だと、綺麗なバックスピンや低い弾道が蹴れない場合、どうしてもボールは伸びず、あらぬ方向に変化してしまう。ただそこは割り切って他の部分を評価してクバを使ってる以上、チームとして、彼にもっと蹴らせないような工夫をすることの方が大事になる。相手は当然、彼とボニに蹴らせるようプレスをはめて来るわけで、自然にボールを回していたら必ずどちらかが蹴ってロストという形は減らない。

 

市川 暉記: -

 

DF

ンドカボニフェイス: 5.0

ファール(PK)のシーンは不必要なプレー。自分のマークを外してしまった、少しでもフリーでプレーをさせないために邪魔をしたかった、その考えは分かるし責任感は評価できるが、ファールを取られてまで邪魔をする必要は無かったはず。もしかしてドフリーで佐藤にヘディングされて決められてしまったかもしれないが、結局PKになってしまっては同じ話。PKよりは、相手がミスをするかもしれない、クバが読んでシュートに反応できるかもしれない、打たせた方が失点の確率は下げられたはず。守備の精神的支柱に、ああいった判断のミスが出たことで、それまで安定していた守備が崩れてしまっていたことも悔やまれる。一つのミスがチームを変えてしまうような大変な役回りだが、頑張って欲しい。

岩武 克弥: 6.0

少し対応に苦戦したりという場面は見られたが、それでもやられたりはしていないし、守備はやはり抜群の安定感。あとは攻撃面。福森は精度もそうだが、試行回数が多い。そこは参考にして、もう少し違いを生むようなプレーが増えることに期待したい。

福森 晃斗: 7.0 (sun-set MOM)

まさに"領域展開"あるいは"福森ゾーン"。ここで自由があれば絶対に仕事ができるというプレーを持っていることが一流の証。他の選手にとっても模範となるプレーを見せてくれた。ダイレクトプレーに必要なキックの質を一人で担うような積極性と質も、チームにとって大きな武器。また、守備でもマテウスに対して良い準備ができていたし、今節は凄く良い状態でプレーができていた。継続に期待。

伊藤 槙人: 7.0

クロスに対して何度もいい場所に入っていたし、それが結果的に得点へ繋がっている。なかなか点を取れないチーム状況で、細井の台頭でセットプレーが増え、得点感覚に優れたDFの存在はこれまで以上に大事になっている。守備で穴になることもまずなく、やはり槙人の力は不可欠だということを示した。

 

MF

山田康太: 6.5

ララにも匹敵するほど攻守に圧倒的な個の優位性。特に空中戦の強さには本当に驚かされる。球際、読み、囲まれても失わない、本当に生粋のボランチのように最近は感じる。ただ後は、本来の持ち味をここへミックスしていけるか。まずは前が空いてる時に横パスせずに自分でどんどんボールを運べるようになれるかに期待している。これができるようになれば、チームの攻撃力は飛躍的に伸びるはず。

ユーリ ララ: 6.5

康太がバランスを取ってくれることで攻撃の比重を増やしている。今節は何度も決定機に絡む場面も見せていたし、後はゴールやアシスト、結果に繋げられるか。最後の質に期待したい。

山根永遠: 6.5

判断の間違いが攻守にほとんどないし、後は本当にキックの質(フィード,クロス)であったりという部分次第になっている。このまま怪我なく最後まで走り抜けてほしい。現チームの要の一人。

細井 響: 7.0

こちらも要の一人。細井のロングスローがあるから、チームはサイドに思い切ってボールを蹴ることができているように見える。前線でボールが収まるか収まらないか次第という感じでチームの攻撃に行き詰まり感が出ていたのを本当に取っ払ってくれた。仮に収まらなくても高い位置でプレーさえできていればロングスローがある、というのが蹴る側のリラックスにも繋がっているはず。今節もWBとして守備の部分も問題なく、また、福森と共に必要なタイミングで最適なロングボールをスペースへ供給することができていた。

 

小倉 陽太: -
遠藤貴成: -
新保海鈴: -

 

FW

櫻川 ソロモン: 7.0

彼が加入してからの軌跡。ポストプレーができなかった、シュートを打てる位置に入ることができなかった、ピンポイントクロスを前に飛ばせずヘディングで自分の真下に叩きつけていた。そんな彼が、今はその全てができるようになってる。中でもポストプレーJリーグでトップクラスだ。あとはもう、GKを見て落ち着いてシュートを決めれるようになれるか、最後の階段しか残ってない。最近は本当に良い位置に入ってシュートで終わることができているし、今節は、その最後の階段についに足をかけたようなゴール。もう戻るな、このまま進んでくれ。ストライカーとして完成したら、きっと横浜FCに収まる選手ではなくなってしまうとは思うけど、それでいい。その時はきっと横浜FCも残留してるから。頼むぞソロモン!一緒に階段を登り切ろう。

ルキアン:5.5

前線の中で最も上手く守備をできているが、それだけになってしまっている印象。攻撃で何をすれば良いのか、何ができるのか、もう一度整理を進めたい。今のままではあまりにも攻撃の要素が少ない。アウェイ浦和戦のゴール、アウェイ湘南戦のPK獲得、彼の武器が輝いた場面を覚えている。本人・チーム全員で上手に活かして欲しい。

ジョアパウロ: 7.0

今節も高い強度と質でチームの攻撃を根幹から支えた。守備もGood。福森へのプレアシストや、前線でのキープなど、キープレーが多く、まさにNo.10に相応しいプレーぶり。

窪田 稜: 6.0

守備など、ポジションに求められる最低限のタスクをこなしながら、短い時間でも自分の形(プレー)をできていることは凄い。仕掛けたり、クロスを入れたり、良い形を見せることができている。あとは本当に最後の質を伴えるか。でも全然ダメというラインではなく、あと本当に少しといったラインには見えるため、やめずに、どんどん続けて精度を高めていって欲しい。

 

アダイウトン: -
鈴木武蔵: -
伊藤 翔: -

 

今節はここまで

名古屋が非常に質の高い攻撃をできていた中で、流れの中での失点は無し。結果的にセットプレーから2失点のみ。

もちろんセットプレーをあれだけ多く与えてしまったこと自体は反省点だが、そこは個の能力差の部分もあって、局面をギリギリで守っている以上、ある程度は仕方ない部分もある。ファールの位置(早めのファール,自陣で減らす)は改善していって欲しいが、素晴らしいキッカーを持つチームを相手に2失点は上出来のはず。ましてPK献上があったことを考えれば、実質1失点でもおかしくなかったわけで…

課題の得点力も、守備があまり整備できていなかった名古屋に対して、しっかりと2得点できたことは自信にして欲しい。ただ、この日の名古屋の守備の出来とウチの攻撃陣を考えれば、2得点は及第点で、むしろこちらはもう1得点欲しかったため、やはり守備というより、次節に向けてという意味では、引き続き攻撃にフォーカスすることが大事になる。

しかし、何より結果的に勝点1を積むことができたことが本当に大きい。これでFマリノスとの対決を考えても、状況は少ししか変わっていない。元々得失点差があるため、極論を言えばどのみち勝点2差は勝点0差と等しい。

希望が残ったというより、本当にまだまだ何も決まっていない、チャンスは等しくあるはず。

ここからは対戦カードもほとんど同じ。Fマリノスより一つでも多く上位に勝つのみ。

6ptマッチのように変なプレッシャーはもう無い。思いっきりジャイアントキリングに心を躍らせてほしい。

そっちの戦いの方が今のチームは得意そうだし、少なくとも私は快進撃を楽しみに今から心を躍らせてる。

ということで、今節も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

それではまた次節です。

レビュー|第33節【2025】【J1】【横浜FC】

J1 第33節 アビスパ福岡 vs. 横浜FC

f:id:sunset_football:20251006085046p:image

大雨の影響で90分遅れてのキックオフ。ベスト電気スタジアムのピッチは一時田んぼのようになっていたが、試合開始時は特段水溜まりのような物は見当たらず、通常の雨と同じ水準でプレーが可能となっていた。

勝てば残留争いに福岡を巻き込むことができ、且つ勝点で並ぶFマリノスへプレッシャーを掛けることもできた大一番。

是が非でも勝ちたかったが・・・

それでは振り返っていきましょう。

(文章を少しでも短くするため、敬称略ですのでご了承ください。チーム内で苗字が他の選手と被っている場合は、両選手を名前にて記載。例: 鈴木準弥選手→準弥)

メンバー表

f:id:sunset_football:20251006085052p:image

交代

【後半17分】

ルキアン▶️櫻川 ソロモン
アダイウトン▶️窪田 稜

【後半30分】 

伊藤 槙人▶️新保 海鈴

【後半36分】

ジョアパウロ▶️伊藤 翔
山根 永遠▶️遠藤 貴成

 

全体評

ゲームプランの修正が課題

序盤から互いにロングボールを多く使いながら、「蹴り合い」の様相を呈す。まずは、どちらがボールの質で上回れるか、そして結果的に前線でどちらが競り勝つことができるか、その二つが試合の主導権を大きく分ける。

競り合いを制した福岡が主導権を握る

横浜FC:前線3枚(ルキ,アダ,パウロ)は相手3CBに競り勝つことがほとんどできず、攻撃の糸口を見つけることは終始できなかった。

福岡:多くはないが、前線で競り勝って、味方がそのボールを拾うという基本的な形をある程度作ることに成功。

五分五分の場面も見られたが、球際・セカンドボールを多く制しながら、その直後のプレーで質も伴うことで、より多く攻撃に繋げることができていた福岡が、優位に試合を進めることとなった。

横浜FCは特に中盤で競り勝つ場面を作ることはできていたが、少し強引に、そのまま強いヘディングで前線まで届けようとして、結局それが相手DFに弾かれてしまってロスト、という場面が多く見られた。

それが通用する時はそれでもいいが、何度か試してダメな時はもう少し工夫をしたい。

ただ、その工夫が選手間でバラバラになったりして、チームが迷走することと紙一重ではあるため、慎重になるチームの心理も理解はできる。

キックの質にも違いが

蹴り合いとして見ると、蹴る回数自体にそれほどチーム間で差はなかったかもしれないが、キックの質で上回ったのは福岡で、よりチャンスの数を増やすことに成功。それがそのままゴール期待値にも現れた。

福岡はボランチも最終ラインまで降りて、GK,CBも混ざって、全体で何度も動き直してというのを続けながら、しっかりと我慢して我慢して、ボールを回しながら、キックの質の高い選手(WB,CMF)が良い状態になるのを待って、そこからロングボールを配る形を多く作ることができていた。

対して横浜FCは、少し焦りもあったのか、ボニなど空いている(福岡にあえて空けられている)選手からドンドン蹴ってしまって、結局キックの質が伴わないため、前線でロストという形が、比較して多くなってしまった。

最初のアテが外れた展開でプランの修正をできるか

横浜FCとしては、ある程度低い位置なら自由にボールを持てること、当初のプランが前線でなかなかボールが収まらないことで破綻していたこと、これらが分かった時点でチームとしてプランを変更したかった。

例えば福岡に習うなら、CBが高い位置を取って中盤に残る→ボランチが下がって最終ラインからフリーで良いボールを配る、これを何度も続けて、長いボールやクロスは良い状態でWB,MFが蹴れる状況になるまで待つ、そしてそこから前線にボールを入れていく形を増やすように変化させるなど。上がったCBを無視して下がったボランチに相手ディフェンスが付いて来るようなら、今度は中盤にスペースができるわけで。

最初のプランがハマらなかった時に、HTでもピッチ内でも良いから、落ちている材料(ヒント)を元に、次のプランへ移行していけるようになると、こういった試合も落とさないようになれるかもしれない。

もし即興が難しいなら、早速今回の展開もパターン化して、準備・対策をし、しっかりと次節以降に繋げたい。

 

勝負強さ

とはいえ、入りからほとんど手応えが無かった中で、迷うことなく最初のプランを続けることで大崩れだけは避け、切らすことなくGK・CBを筆頭に最後をしぶとく守り続けることができていた横浜FC

結局流れの中で得点を許さず、引き分けも十分に狙える試合にはギリギリできていたと思う。

ただ、勝負強さが試合を決めた。

福岡が準備してきた形を1本目のセットプレーでしっかりと決めて、それが決勝点となった。

こういったクローズな試合ではよくある結果だが、ようは「これをできるのが残れるチームだ」と突きつけられるような形となった。

「得点・失点分解」(後述)でも詳しく書くが、完璧にデザインされた形がまさに的中し、横浜FCをしっかりと出し抜き、そのプロセスで選手が難しいプレー(キック、フリック)を正確に連続して決めたのだ。

ここには多くの鍛錬を感じる。

毎年しぶとく残留するチームは、試合の流れを見て、ゼロで守れる、1点が遠い、そんな時に仕込んでおいた武器をここぞという場面で使う・決めてくることが多い。

ダーティな面であったり少し見習いたくない部分もあった相手だが、先に勝点40ptを達成した相手として、素直にそういった面は見習い、吸収したい。

 

得点・失点分解

失点①:後半6分【得点:湯澤 聖人】

この日、福岡が最初に得たCK。

福岡:ファーサイドで7人が待つ。キックに合わせて3人の選手がニアへ一斉に走り込む。

横浜FC:しっかりとマンツーマンで全員がマークへついていく。

福岡:グラウンダーの速いクロスが蹴られる。最もニアの選手がそれをフリックして、マイナス方向にボールの軌道を少し変える。

軌道が変わったことで、ゴール前に固まる選手の脇をスルスルっと抜けて、ファーサイドまでボールが流れる。

福岡:CKが蹴られた後に少し下がって、また入り直してきていた湯澤のみがそのボールの変化に反応。マイナスに再度動き直し、左足ワンタッチでゴールへ流し込む。シュートはブロック(アダ)の股を抜く。

横浜FC:GKクバとしては、おそらくゴチャっとした集団が目の前にいて、状況が掴めていなかったのと、股を抜けてシュートが飛んできたことで反応することができなかったのかもしれない。

横浜FC:また、直前に湯澤のマークに付いていた小倉。結局最後の場面で湯澤を離してフリーにしてしまったのだが、最初にニアに走り込んできた相手3選手とそのマークに付いていた味方選手がおそらく小倉にとってはコーナーとの間でブラインドのようになり、CKの軌道の変化を見ることができず、ボールを見失って反応することができなかったように見える。

福岡:湯澤としては、デザインされた通りに、事前にあの辺りにボールが来ることを分かっていたから入ることができた可能性もあるし、シュートの前の場面で、少し下がった位置でボールが出るのを見てからゴール前に入ってきているため、ある程度軌道の予測も付いていて、そこへ入ることができたのかもしれない。

いずれにせよ、福岡としては準備してきた形が綺麗に決まり、ワンチャンスを物にした素晴らしいゴールとなった。

全てのプレーが上手く決まって決まってのゴールで、横浜FCとしては少し防ぐのは難しかったようにも見える。この失点を変に引きずるくらいなら、むしろ福岡を見習って、同じ姿勢で次節以降セットプレーに取り組んでみてほしい。

 

個別評

(採点 + コメント)(10.0点満点,及第点を6.0に設定)(試合結果を採点に反映: 勝利時の平均を7.0、敗戦時の平均を5.0に設定)(出場時間35分以下は採点無し)

 

GK

ヤクブ スウォビィク: 6.0

失点こそしてしまったが、何度も良いセーブを見せ、単純にシュートが枠内に飛びまくっていた中で、失点は綺麗なセットプレー1本のみ。本当に失点数を最小限に抑えられているのはクバの活躍が大きい。チームが得点をして、この頑張りを何とか勝利へ繋げたい…

 

市川 暉記: -

 

DF

ンドカボニフェイス: 5.0

ウェリントンが非常に目立つ試合となったが、今節はもしかしてマンマークでボニがウェリントンを見ても良かったかもしれない。ボニ自身は中央でウェリントンをよく抑えていたが、結局ウェリントンの方がボニから逃げて、他の場所で自由にキープレーを連発することになってしまった。守備の要で、最後を空けるわけには絶対にいかないため、どこまでマークについていくかの判断は本当に難しいが、試合中に少しずつ出ていって試してみて、良いバランスを見つけられるようになると、CBとしてもう一つ最強になれるはず。頑張って欲しい。

岩武 克弥: 5.0

少し体が重そうだったか。いるべき場所、するべきプレーは相変わらず読み良くできているようには見えたが、今節に限っては相手のキレに少し付いていけない場面が多く見られた。体調が万全では無かったのか、真相はわからないが、少し疲れているなら、しっかりとリフレッシュして、また岩武無双を見せて欲しい。

伊藤 槙人: 5.0

福岡の屈強な選手に対して、ストロングである対人の強さを発揮することができず。槙人としては難しい試合となってしまった。ただ、そうはいっても致命的な穴になった訳でもなく、ここまでそういった試合も珍しいため、あまり気にせず次へ向かって欲しい。やれることをやり切ったその先はある程度仕方ない。

 

福森 晃斗: -
山﨑浩介: -

 

MF

山田康太: 5.0

福岡の松岡なんかを見ていて思うが、もっとボールを受けに動いて、ボールを持つ時間・もっと強引にドリブルで運ぶ回数を増やしても良いように思う。J1でそれを高い成功率でできそうなのはチーム内でも山田とララの他に思い当たらないくらいで、よっぽど中盤にスペースがない場合を除いて、それをしないのは勿体なく感じる。自信を持ってボールを持って、中盤で起点になって欲しい。攻守に今度は少しボランチとして型にハマりすぎているようにも見える。ララと組む場合のバランスはそれでいいのかもしれないが、小倉と組む場合は特にもう少し攻撃の要素を増やしても良さそうだ。結果的に今節は、山田が最終ラインに吸収されて守備、小倉が攻撃に多く絡む形になってしまっていたが、それを逆にしたい。

山根永遠: 6.0

今節もしっかりと守備、前への意識ができている。あとはキックと推進力で違いを生みたかったが、質を伴うことができず。ただ最近は、安定したプレーを続けてくれていて本当に頼もしい。

細井 響: 5.5

今節のGKの動きなんかを見ても、多彩とはいえロングスローがいよいよ研究されてきている。とはいえ、まだまだゴール前の良い所にボールが入る回数も多く、そこはもっとシュートに繋げていかないといけないのはチームとしての課題。守備良し、FKも蹴ってと、今となっては欠かせない存在になっているが、主力として計算できるからこそ、あとは流れの中でももっと違いを生むことを求めていきたい。キーパスをもっと積極的に狙っていけるか。

小倉 陽太: 5.0

積極的にボールへ絡んでいく姿勢はこの試合において効果的ではあったが、プレー自体の強度・質が伴わず。ただここは技術的にも仕方ない部分。そこは焦らず伸ばしていくとして、これだけプレーの流れを理解しているなら、まずは言語化を先に身につけてしまって、周りを上手く使えるようになって欲しい。自分で頑張ってやっている今のそのプレーを、もっと適性のある選手に任せて、逆にその選手からタスクを引き取って上げれるようになれば、チームとしても本人としても一気に一つ上の水準に上がれるはず。

 

熊倉 弘貴: -
遠藤貴成: -
新保海鈴: -

 

FW

アダイウトン: 5.0

前線で起点が作れないことには、なかなかアダに良い形でボールが入る数も少なくなって、沈黙気味になってしまう。下がった位置で貰っても、本人は突破を頑張るが、3人に囲まれてしまうような状況で、活躍できる機会はほとんど無かった。得点に特化していて欲しい選手だし、こういったパターンはある程度仕方ない。チームとして、試合の状況をもっと見て、ハマる時をしっかりと見極め、選んでピッチに送り出せるようになるまでは、こういった試合は減らないかもしれない。

ルキアン:5.0

ハードワークは本当によくしてくれていたが、相手DFに完全に抑え込まれるような形になってしまい、存在感を出すことはできず…。彼の武器が何なのか(個人的にはアジリティだと思っているが)、そこを本人としてもチームとしてももう一度見直して、活用できるように考えたい。

ジョアパウロ: 6.0

難しい試合状況でも攻撃の起点として機能、ゴールに迫る場面も作り、今節もエース級の活躍。継続。

櫻川 ソロモン: 5.5

パウロへのアシスト未遂もあり、やはり偽9番的なプレーは上手い。ポストプレーとチャンスメイクの選手だということが、もっと味方に浸透してくれば、良い連携を増やしていけそうだ。シーズン終盤に入ってだいぶ煮詰まってきたが、チームとして伸び代があるとすれば、やはりソロモンの所が一番のように見える。ソロが出ている時は何だかんだとチームが安定するため、次は先発で見たい。

窪田 稜: 5.5

途中から出て何とか流れを変えようと攻撃に守備に走り回ってくれたが、こちらもクロスやシュートなど最後の質が伴わず。ただ、その最後の形には至れているため、次節以降にも期待が高まる。ソロと同様だが、窪田が出ている時間はチームとして試合をある程度作れているため、次は先発で見たい選手。

 

伊藤 翔: -

 

今節はここまで

大事な6ptマッチを落としてしまったが、紙一重の試合ではあった。内容から言えば大敗だったのに、粘り強くやって大崩れしなかったことは、少し前を考えれば確実に成長してる。

だからこそ、新潟・湘南に勝った自信をここで変に失いたくない。ここで自信を失わなければ、チームの勢いは絶対に消えないから。

ここまできたら、今の戦い方で最後まで突き抜けるしかないが、その価値は十分にある。

クラブ史上残留に最も近いチームであることは間違いないし、そういうつもりで残りの試合も迷いなく戦って欲しい。

今節をもって、残留争いは大規模な横浜ダービーとなりそうだが、横浜FCが悲願のJ1初残留を成し遂げるにはこれ以上なくドラマチックな展開では。

選手もクラブもサポーターもこの状況を楽しんで、目の前の試合を勝って勝って勝ちまくりましょう。

 

ということで、今節も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

それではまた次節です。

レビュー|第32節【2025】【J1】【横浜FC】

J1 第32節 横浜FC vs. 湘南ベルマーレ

f:id:sunset_football:20250929173937p:image

ここに来て明確に見えてきた残留への階段の1段目(新潟),2段目(湘南)を、まずはしっかりと勝利。

それでは今節を振り返っていきましょう。

(文章を少しでも短くするため、敬称略ですのでご了承ください。チーム内で苗字が他の選手と被っている場合は、両選手を名前にて記載。例: 鈴木準弥選手→準弥)

メンバー表

f:id:sunset_football:20250929173944p:image

交代

【後半8分】

福森 晃斗 ▶️ 伊藤 槙人

【後半20分】 

窪田 稜 ▶️ アダイウトン 
山田 康太 ▶️ 小倉 陽太 

【後半33分 】

ジョアパウロ ▶️ 遠藤 貴成 

 

全体評

対面の振り返り

守備(基盤)

全体を通して、相手の2トップ+中盤3枚=5枚(章斗,フェリッピ,小野瀬,池田,ゼヒカルド)を、こちらも数的同数の3CB+中盤2枚=5枚(ボニ,岩武,福森,ララ,山田)で見る形。

実際は、中盤は少し数的不利なため中央は相手に侵入されることはあったが、逆に最終ラインは2トップに対して3CBで数的優位のため、最後の所で危なげなくしっかり守ることができていた。

一人一人が対人(1:1)で負けなかったこと、漏れなく集中してマークに付き、浮いた選手を作らなかったこと、それらが無失点の鍵となった。

守備A:ボールの位置が敵陣内(ATサード)の時

まずはハイプレス。前線からマンツーマン気味に人で人を捕まえにいく。奪ったら即カウンターの流れ。両シャドーの献身性とスピードを活用。

守備B:ボールの位置が自陣内(DFサード)の時

まずは5-2-3のブロックが基本。

前線3枚と両WBは、マークを早め早めに後ろの味方へ受け渡すようにして、あまり下がりすぎないようにしっかり意識(守備Aやカウンター攻撃へスムーズに移行できるように)。

相手がブロックの外で回すようなら、積極的に前からプレスを仕掛けていく。

シャドーのリトリート解禁はトリガーを明確に設定→湘南の両WBや左右CBが押し上がって攻撃参加してきた場合に、「一人目」はWBが対応、もう「二人目」が入ってきた場合をトリガーにして、自陣が数的同数以下にならないように、ここでやっとシャドーも下がって対応。

その際に、シャドーが下がる場合は、おそらく判断の迷いや周囲とのコミュニケーションミスで、マークの受け渡しにミスが起こらないようにするために、押し上がる相手選手へマンマークで、場合によってはエンドラインまでしつこく付いていって、マークを受け渡すことなく1対1で対応。

ロングボール(陣地回復・攻撃)

①相手からボールを奪うと、まずはなるべく早く前線にロングボールを落とす。

それがそのまま前線で収まれば、迷わず全員で"ダイレクトプレー"に移行。

ここはもう本当にブレがないのが今のチームの良さ。決定機を作れている、相手は嫌がっている、機能している内は恐れずにどんどん続けて欲しい。

ロングボールを落とすのは以前にも増して徹底されているが、その先、競り合った後の狙いも徹底されている。

例えばソロモンが相手と競り合った時に、一人目(例:パウロ)はまず近い位置でボールを貰えるように・溢れを拾えるようにサポートへ来る。二人目(例:窪田)が入って来れる場合は、相手の背後に走って、スルーパスから一発を狙う、といった形で決め事が落とし込まれているように見える。

以前はここが、相手DFの背後に誰かが走ってそこへ出すのか、それとも近くでボールを受けれるようにサポートするのか、その場その場で曖昧、合わないという場面が多く見られていた。今節は、ソロモンが頑張って競り勝つというのの他に、パウロが徹底してそのセカンドボールを拾うことができていたのも、ボールが収まっていたことに大きく貢献していた。

また、ボールの出し所も、岩武と福森が左右CBに入ったことで、もちろんそこで蹴れれば精度の高いキックを活かせて手っ取り早くて良いのだが、実際は相手のプレス(2トップ)がそちらに向くことで、下がった両WB(山根細井)がその傍で、比較的フリーで蹴ることができるようになっていた。

相手からすれば「WBをプレスで制限して、CBに蹴らせればいいや」というのができない状況。

結果的に、山根と細井が浮いて、砲台として機能することができる→精度の高いロングボールが前線に供給されたことで、ボールを収める成功率を高めた。

この辺りの組み方は、毎節本当に工夫してやれているのが現体制。

②仮に収まらなくても、そこで作った時間を使って守備の陣形を再度整えることできる。

③あとは両WBのロングスロー。

陣地回復の手段がキックだけでなく、単縦にサイドにボールが出れば細井・山根のロングスローで陣地を回復できる=リセットできるようになっているのも、押し込まれる時間を大きく減らすことへ繋がり、守備のリスクを下げることにも繋がっている。

細井ロングスロー→ソロモンポストプレーはチート級のシナジーを見せ始めている…

湘南の対抗策

スコアも内容も劣勢となった湘南はHTに狙いを変更・修正。

ショートパスで、ある程度横浜FCのブロックを動かしても、数的同数で嵌められていて、なかなかフリーの選手を作ったりという隙が見当たらなかった。

そのため、後半から選手も入れ替えながらドリブルの施行回数を増やしていく。

ようは横浜FCが人に対して徹底的に人を付けてくるなら、得意なドリブルで1対1を抜いてしまって、マークのズレを作っていく方に(リスクを取って)シフトした形。

実際に、ブロックの中にドリブルで侵入→起点を作って、縦のパスがどんどん通るというような場面が前半より増え始める。

対して横浜FCは、その先でボールウォッチャーにならず、しっかりと自身のマークを見失うことなく、また空いてる選手は積極的に出ていってカバーに入りと、全員で最後をしっかりと守ることで何とか凌いだ。

ただ、ここは相手のクオリティが高い時に同じことをされれば守りきれなくなる可能性もある。

守り切った自信は得つつ、その時(控える上位との試合)に備えて、しっかりとこのパターンに対しても準備をしておきたい。

 

得点・失点分解

得点①:前半32分【得点:細井 響】

横浜FCゴールキックが相手の元へ落ちたのを、パウロがすぐに奪いにいって、泥臭く得た敵陣深い位置でのスローイン

今節から深い位置の場合は、右も細井がスローインを担当。脅威のロングスローを早速チームとしてセットプレー化してきた。

細井のロングスローはよく伸びるのはもちろんだが、まるでキックのように少し左斜めにカーブして落ちる軌道も特徴。

右から真っ直ぐにゴールへ向かって放たれたボールは、GKから少し逃げるような軌道になり自信を持ってキャッチにいけるかは微妙な場面。かつ、横浜のターゲットもGKの前に集まって密集ができたことで、GKは弾くだけで精一杯になり→真っ直ぐ上げてしまう。

湘南の選手が上がって落ちてきたボールをヘッドで何とか弾くが、真上からのボールを処理する形になり、クリアは浅くなる。

そこへ詰めていたのがロングスローを投げた後の細井。欲のないスイングでしっかりとミートして鋭く足を振る。

湘南の選手もしっかりとブロックに(5枚以上は)入っていたが、細井に寄せていたのは小野瀬ひとりだったこともあり、シュートコースを制限しきれず。

結果的に小野瀬の体の脇を抜けたシュートはGKの泣き所、頭の上に決まる。これに反応するのは本当に難しい…

自分で投げて自分で決め切る才能、また、こぼれ球を決めようと待っていたのは他にもパウロ,山田,山根がいた中で、ボールに選ばれた細井という豪運、まさにスーパールーキーに相応しいプロ初ゴールとなった。

 

個別評

(採点 + コメント)(10.0点満点,及第点を6.0に設定)(試合結果を採点に反映: 勝利時の平均を7.0、敗戦時の平均を5.0に設定)(出場時間35分以下は採点無し)

 

GK

ヤクブ スウォビィク: 7.5

例えどんなに堅守を誇るチームでも、時にはまぐれに、決定的なシュートが枠に一本以上飛ぶのがフットボールという競技。今節も決定的な場面が一つあったが、そんな少ないチャンスを物にされず、理不尽にしっかりと止めてくれた。4試合で失点は町田に許した1のみ、それは間違いなくクバの力も大きい。(遅延によるイエロー累積が心配になってきたが…)

 

市川 暉記: -

 

DF

ンドカボニフェイス: 7.5

広大な守備範囲とアグレッシブなディフェンスでチームの危機を何度も救う。今節も助けられた。ボニの活躍無くして、今の守備の強度を保つことは難しい。怪我、累積、ケアレスミスにだけは気をつけて、ここからも無失点を積み重ねて欲しい。

福森 晃斗: 7.0

福森がいるから、その脇の細井がフリーで前線に良いボールを蹴れる。極端な話、ここ(左CB)にキックの精度が無ければ、相手はWB(細井,新保)にマークを付けて、左CBに精度の低いキックを蹴らせて、その先で回収という手段を取れてしまう。だから福森がいるいないは、細井(WB)の活躍にとっても非常に重要。あとは今節のような守備の集中を継続できるか。

岩武 克弥: 8.0

岩武の存在は本当に大きい。まさに予測の天才(落下地点や最後ボールが入ってくる所)。危険な場面のラストパスを悉くクリアしている。それが周囲へも影響していて、ボールの行き先を先読みして、味方にそれをコーチング・教えているから(クバに落下地点を教えて出る出ないのコーチングなど)、岩武付近の選手に判断のミスが減っている。

伊藤 槙人: 7.0

クローザーとしてしっかり試合を締めた。途中から出ても本当に穴にならない。福森先発でリードを得て→槙人でクローズ。やはりこれがチームとしては理想の形。

 

山﨑浩介: -
鈴木 準弥: -

 

MF

山田康太: 8.0

コンバートがついに完了。今となっては非常に優れたCMFの一人。ポジショニング、インテリジェンス、運動量、プレーの強度、軽いプレーも減って、本当に頼れる中盤になった(その代償に、シュートは少し下手になってそうだが…)。おそらくこのまま最後まで中盤の核として出ることになりそうだ。何も心配はなく期待しかない。あとは怪我が軽いことを祈る…

ユーリララ: 7.5

豊富な運動量と、インテンシティの化け物さで今節もウノゼロに大きく貢献。数的優位、個の優位、ピッチ上でそんな局面の優位性を最も生んでいるのが間違いなくララ。強度・デュエルを重視してシンプルに戦う今のチームスタイルだからこそ、なおさらララがいるのといないのとでは勝率が大きく異なる。

山根永遠: 7.5

まさに攻守コンプリート。クロスも良いが、走力も良いが、山根の一番の才能は攻守のバランスだと信じてきた。与えられたタスクが山根のキャパシティにピッタリと一致している今、それを試合で損なうことなく100%発揮できている。穴になることなくしっかりと守れて、攻撃でもしっかりと機能する。現状のシステム・戦術で考えうるWBとして理想の選手。

細井 響: 8.5 (sun-set MOM)

まさに細井の日だった。彼が出るようになってからチームの勝率は格段に上がっている。インターン生とは思えないほど本当に隙がない。得点シーンはもちろん素晴らしかったが、安定した守備に、ロングフィードの精度など、攻守にチーム戦術を底上げさせている。3-4-2-1のWBは、攻守にクリティカルなタスクがあって、本当に大事なポジション。彼がWBに早くも順応してくれた事で、チームはラストピースを得たように見える。そして規格外のロングスローが、新たなセットプレーとして完成してきているのも大きい。彼が残留のアイコンになるのかもしれない。

小倉 陽太: 7.0

連戦でここまで頑張ってきたこともあり、今節は途中からの出場。何か流れを変えるようなプレーで目立つことはできなかったが、しっかりと安定した守備で試合を締めることに成功。地上戦が主体の湘南戦で活躍することよりも、そこは山田やララに任せて、空中戦主体の相手に対して自身のストロング(守備とキック)でしっかりと活躍してくれればいい。

 

遠藤貴成: -
新保海鈴: -

 

FW

窪田 稜: 7.0

走力を活かして、求められるシャドーのタスクを攻守に完璧な形で体現。いて欲しい所、寄せて欲しい所、ハードワークが本当に助かる。戦術理解も進んで、フィットするポジション(シャドー)も見つかって、少しづつ自分の形でゴール・アシストを狙える場面も作れるようになってきて、あとは何とかそれが結果に繋がって欲しい。

ジョアパウロ: 7.0

相手からの徹底マーク、すぐに囲まれて自由にボールを持たせてもらえないため本来のプレーがなかなか出せない。その分パウロの逆のサイドが少し手薄になるため、今は我慢の時か…ソロモンや左のシャドーにもっと相手が守備を割かないといけなくなれば、パウロももっとプレーしやすくなるのだが。実際にアダが左に入ると、マークが分散されパウロの美しいサイドチェンジなど、らしいプレーが出せるようになっている。ただ、難しい状況でもコンスタントに期待値の高いプレーが出るのだから本当に素晴らしい選手。あとは、横(左足)をとにかく切られて(縦がその分空いてはいるが)、体が開けないため、右でのプレーが少し窮屈そうなのは気になる点。

櫻川 ソロモン: 7.0

ルキアン不在で、ボールを収めるタスクをできるのがソロモンしかいないため、始まる前からフル出場が決まっていた難しい試合。全力でボール奪いに、ゴールを狙いに走り続けたいが、ガス欠だけは避けないといけない。スタミナのマネージメントをしながらになり難しかったとは思うが、それでも変わらぬインパクトを残したことは自信に繋げて欲しい。現状ソロがいるいないでチームの攻守における安定感と再現性は大きく異なっている。当て感やボールの落下地点の予測など課題は山積みだが、開幕当初を考えれば大きく成長はしているし、何とかJ1に残って彼の完成を見届けたい…

アダイウトン: 7.0

やはり後半から出てきた時の脅威は絶対的。あとは中でアダと感覚の合う選手が一人でも出てくれば、今節あったチャンスの内一つは得点にできるようになるかもしれない。ルキアンなのか、ソロなのか、翔さんなのか、他の誰かなのか。懸念点は守備面だが、献身的に戻ってくれて技術的に致命的という訳でもないため、攻撃面のメリットを考えれば十分に取れるリスクだろう。

 

伊藤 翔: -

 

今節はここまで

残留を争うチームの中で今最も勢いがあるのは横浜FCで間違いない。本当に隙のない戦いを毎節継続してできているし、あとはその勢いの中で勝点をどれだけ積めるか。

まずは下位にいた新潟,湘南に勝つことはできた。でも本当の戦いはこれから。福岡,名古屋に勝つことも残留の必須条件。

6ptマッチが続くため、メンタル的にも当然難しいが、ここを落とせば、あとは上位との対戦しか残っておらず、残留は極めて難しくなってしまう。

Fマリノスと17位の座をかけて毎節競り合っていくのが現実的だが、地力を考えればおそらくかなり厳しい戦いになってしまう。それを避けるためにも、まずはこのチャンスを連勝して、14位福岡までを残留争いに巻き込みたい。

それができる力・状態・運が今のチームにはあるはず。

 

ということで、今節も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

それではまた次節です。

レビュー|第29節【2025】【J1】【横浜FC】

J1 第29節 FC町田ゼルビア vs. 横浜FC

f:id:sunset_football:20250914104342p:image

優勝争いvs残留争い。両者絶対に勝ちたい一戦。

さっそく振り返っていきましょう。

(文章を少しでも短くするため、敬称略ですのでご了承ください。チーム内で苗字が他の選手と被っている場合は、両選手を名前にて記載。例: 鈴木準弥選手→準弥)

メンバー表

f:id:sunset_football:20250914104348p:image

交代

【後半19分】

アダイウトン▶️前田 勘太朗

【後半27分】 

小倉 陽太▶️熊倉 弘貴

【後半34分 】

山根 永遠▶️窪田 稜

ジョアパウロ▶️伊藤 翔

岩武 克弥▶️山崎 浩介

 

全体評

前半

プラン通りにいった横浜FC - 上手くいかないながらも相手のスタミナを削り無失点で切り抜けた町田

ミラーゲームで中盤は数的同数なのと(スペースがない)、元々どちらも繋ぐスタイルでないこともあり、両チーム中盤を飛ばす形でロングボールを積極的に前線へ入れていく。

両チーム似たような形ではあるが、どちらかといえば横浜FCは町田のWBの背後(3CB脇)のスペースにロングフィードをどんどん入れて、収めて、カウンターという意図。町田は、低い位置ではある程度ボールを持ちながら、サイドに張ったWB(増山など)にポイントでロングボールを落として、競り勝って溢れたボールを拾うorもしそのまま相手に当たって外に出ればロングスローの二段構えという意図。

サイドにどんどん流れてボールを受けようとする相手FWに対して、CBが積極的に出ていって1対1でまず潰す形はどちらの守備も同じ。

横浜FCの方は、藤尾に対してボニがどこまでも付いていってややマンマーク気味に潰す形になっていたが、それでも岩武がそのスペースをカバーしたりして、中に隙が生まれるという感じは無かったため、ボニの擬似マンマークは相手によって今後も使っていきたいプラン。

両チーム慎重に、あまり3-4-3の形を縦方向に崩さなかったこともあり(CBが押し上がるなど)、チャンスは作るも、集中を切らさない守備のブロックを超えるには至らず。硬い前半となった。

町田としては、藤尾の所などはある程度潰されることを前提に、もっとロングボールをWBの所で競り勝って、良い形で攻撃をしたかったのだろうが、特に細井がここでほぼほぼ負けることなく対応したため、良い形でなかなか前線にボールが入らず、決定機の数自体を抑えられる形に。

対照的に攻撃の狙いは横浜FCの方が上手くいっていて、決定機の数はより多く作ることに成功。

ただ、町田に低い位置とはいえボールを持たれ、常にロングボールの危機に晒され、動き直す=走らされることになっていた横浜FCの方が(特にDFライン)、疲労していたかもしれない。

プラン通りにいった横浜FC。上手くいかないながらも相手を疲れさせ、無失点で切り抜けた町田。

0-0で前半を折り返す。

 

後半

「表の進行」を制して見事先制した横浜FC - 「裏の進行」を制して試合の流れを引き込んだ町田

後半開始から、前半と大きく構図変わらず(横浜FCは裏を狙う、町田はDFラインで少しボールを持ちながらロングボールを狙う)。

ただそんな中で、横浜FCが再三狙った背後へのロングフィードを町田の選手が外に掻き出した何気ない場面から、得点が生まれる(→詳しくは「得点・失点分析」にて)。

衝撃のロングスロー一発といえばそれまでだが、この時間までを考えれば1点は十分に期待できた展開で、ここまで横浜FCとしては、まさに狙い通りと言えるだろう。

ただ、1点を追うことになった町田は、ここから選手を入れ替えながら明確にプランBへ変更。

まずはロングボールを一転して蹴らない。横浜FCのブロックの外で回すような形でショートポゼッション。左右のCBも上がって中盤でボールを受ける+中盤は少しサイドに割れるような形で、WBとシャドーを中心にサイドでボールを動かしながらクロスを積極的に狙う形に。

プランBとはいえ、チームとしての練度は非常に高く、「少しリスクを高めつつ得点の確率を上げる方法」として確立、しっかり準備できていることが伝わる。

町田としては、人数をかけてボールを回すことを、相手のプレスに引っ掛かって主導権を渡すことに繋がりかねないのを嫌ってこの時間まで封印していたのだろうが(実際横浜FCが元気な状態であればうまくいかなかった可能性もあるが)、横浜FCとしては選手たちが消耗していて、スライドや寄せが少しずつ、一つずつ遅れることで、町田の選手たちの能力の高さに対して前向きにボールを奪うことが全くできなくなっていた。

町田は思うままにボールを動かし、サイドからチャンスを量産していく。

互いの狙いで試合を動かす「表の進行」を制して見事先制したのは横浜FCだったが、表の進行で負けていても体力を温存し、失点を最小限に抑えながら相手を動かして消耗させる「裏の進行」を制していた町田。

横浜FCも足の止まった選手を変えながら何とか対処しようとするが、結局動きの重たくなっている所(山根や細井のスペース)を使われてしまい、歯止めが効かず。

 

交代策とその時間に取りたい策が合致せず

町田はプランBがハマったことで、クロスに合わせることができるミッチェル デュークやボールを動かせる選手をどんどん入れるなど、交代策でますますその期待値を上げる。

それと対照的に横浜FCは交代策に苦しむ。

プレスが機能しないため、ある程度割り切って、引いて(5-4-1)、中でとにかく弾いて、奪ったらすぐにロングボールで陣地回復しつつ前線でボールを収めて、何とかカウンターという形で凌いでいた。

ただ、試合開始から何とかボールを収めようと奮闘してくれていたパウロルキアンがついにガス欠に。ここで代わりにボールを収められるような選手を入れたかったのだが、その筆頭であるソロモンが出場停止。その役割をできる選手が、この日は控えにいなかったか。

それでもとにかく守りを固めよう(逃げ切ろう)と、足の止まってしまった選手から各ポジションごと順々に変えていくのだが、守りを固めるのに適した選手(強さ・高さ・守備の技術など)がこの日はベンチに揃えておらず。むしろその多く(細井や岩武など)は先発で出てしまっていて疲れ切ってしまっている状況。

結果的に、ボールが収まらないため守っても守っても陣地を回復する時間が作れず、奪いに出ることもできず、少し乱れた状態にボールを受ける不安定で非常に難しい状況を、どちらかと言えば攻撃的なメンバーで守り切らないといけないことに…

押し込まれた状態が続き、その中で、左右に振られゴール前にミスマッチが多く発生、ゴール前に出来た歪みを上手く使われて失点してしまう(→詳しくは「得点・失点分析」にて)。

ここは、ベンチのメンバーに合わせて、失点覚悟でモビリティ性を活かしたハイプレス&ショートカウンターに切り替える方が良かったのか、そもそもベンチの組み方として、捲っていきやすい選手を半分、守備を固めやすい選手をもう半分のように先発含めてメンバーを組む方が良かったのか。ソロモンやララなど重要な選手を欠いたことも大きかったが、その辺りは整理しておきたい。

 

得点・失点分解

得点①:後半11分【得点:伊藤 槙人 - アシスト:細井 響】

世はまさに大ロングスロー時代!直近のルヴァンカップで、神戸の入江にとんでもないロングスローを再三投げられ、非常に怖かったのが記憶に新しいが、ウチにも凄いのを投げる選手がついに入ってきた。

細井の大抜擢、しかもWBでというのに最初は驚いたが、文さんの狙いのまず半分は相手WBに競り負けないこととして、おそらくもう半分はこのスローインを狙っての物だろう。確かにCBで出すより、WBで出す方が単純に中の大きな選手の枚数を増やして期待値を上げることができる。その狙いがまさに的中する形で先制に成功。

スローインの場面。まずは大方のロングスローが落ちるニアに横浜FCのターゲット(本命)の3人、ルキアン、アダイウトン、ボニが待ち構え密集を作る。町田は当然そこへ多くのDFを集め守る。

細井がボールを投げると、少し密集の外を回るようにして槙人がファーサイドに流れる。練習でファーまで飛んでくることを知っていたからこそ迷わず軌道の先へ入る。

槙人のマークは林。槙人が動いた時に一応それに付いていったが、そのままファーまではいかないで、おそらく林としては、ニアがスラしたボールを押し込んでくることをイメージしたのか、槙人より少し近くに立ち、パスコースを防ぐような立ち位置を取る。

ところが細井が投げたボールは、綺麗な斜めの回転で、ニアから林までの頭上を超えて、ゴール前中央まで飛んでから綺麗に落ちて槙人にピンポイントで入る。

GKとしては、落ちたポイントだけを見れば出ていってキャッチに行けたかもしれないが、横にも縦にも予想より大きく動いたため、まず初見で出ていってキャッチしに行くのは難しかった場面。

槙人がそれをしっかりと体に当てて(実際には足だが蹴るというよりは全身に何とか当ててという風に見えたので)流し込みゴール!

少し初見殺し的な面もあるため、次節以降もどんどん再現を狙っていくというのは難しくなるとは思うが、逆にこれが相手の頭にあるなら今度はニアで合わせるなど駆け引きが生まれる。

スローインのセットプレー化で得点増に期待が高まる。

 

失点①:後半43分【得点:ミッチェル デューク - アシスト: - プレアシスト:】

町田の猛攻を何とか最後の所で守り続けた横浜FCだったが、ついに得点を許してしまう。

町田:ハーフライン付近からロングボールを前線に入れる。競り合って溢れたボールに最初に反応したのはデューク。二列目からサポートに入ってきた仙頭にボールを預ける。サイドで待つ望月へのパスをチラつかせながらPA内でボールを持つ。

横浜FC:ここの対応が少し中途半端に。細井としては一人で仙頭と望月の二人を見るような意識で距離を保って対応。ただ実際はボニがカバーに来れていたため、仙頭あるいは望月のどちらかにもっと寄せて良かったかもしれない。結果的に二人が少しボールウォッチャーのような形になって仙頭に自由を与えてしまうことに。

町田:意外なタイミングでファーへクロスを上げる。落下地点にいたのは、相馬と窪田。予測で上回った相馬がしっかりとしゃがんでから飛んで窪田の上から高い打点でヘディング。折り返す。

横浜FC:窪田としては少し落下地点の予測が遅れて、下がりながら飛ぶこともできなかったため、本人としては悔しいプレーになった。

町田:折り返したボールに対して、横に飛びながら難しい体勢でもしっかりとデュークが頭で合わせ、厳しいコースに技ありのゴールが決まる。

このシュートを止めることは難しい…綺麗に折り返された所で勝負ありだったか…

個人のミスが二つほど続いてゴールを許す形にはなったが、失点の場面を見るとブロックは作れていてもその中で配置はグチャグチャになっていて、不利なマッチアップがいくつも生まれていたため、どんな形であれあの場面で守り切るのは難しかったように映る。例:ボニと槙人が釣り出されてゴール前にいなかったり、相手のシャドーにマークが付ききれていなかったり、結果的に最後デュークに対して山田が付いていたりなど。

一つの攻撃でここまで崩れる事はなく、やはり攻撃を受け続ける中で、陣形を整える時間を全く作れなかったことが大きい。得点を取りに行くためにもそうだが、やはり守り切るためにも前線でタメを作ることが大事になる。

 

個別評

(採点 + コメント)(10.0点満点,及第点を6.0に設定)(試合結果を採点に反映: 勝利時の平均を7.0、敗戦時の平均を5.0に設定)(出場時間35分以下は採点無し)

 

GK

ヤクブ スウォビィク: 6.5

得点後は本当に本当に苦しい時間が続いたが、よく1失点で凌いでくれた…安定の中にスーパーなプレーもあって、まさに勝点を積めるGK。ただ、これだけ攻められて「よく1失点で済んだな」と本人は絶対に思っていない様子。失点の少し前から試合が終わるまで、感情を剥き出しにして味方へ何かを訴えていたのが印象的で、最終ラインとして明確な改善点が彼の中に浮かんでいるのかもしれない。そこにも彼の強さを感じる。

 

市川 暉記: -

 

DF

ンドカボニフェイス: 6.0

今節はうっかりなミスも無く、広い守備範囲と高い強度でいつも通り最終ラインに個の優位性を生む素晴らしい活躍。ただ、もう一つ言うなら、変えの効かない選手としてのプレーを覚えていきたい。意図せず町田の狙いにハマってしまったのかもしれないが、最初から全力でいった結果、終盤に少し足が止まりだして、失点のシーンでは最後の所へ入ることができなくなってしまっていた。もちろんその時間でもほとんど問題なく走れていた事は凄いのだが…その能力の高さを90分チームへ還元できるように、任せる所は味方に任せて、スタミナのマネージメントができるようになると、さらに個人としてもチームとしても上にいけるはずだ。

伊藤 槙人: 6.5

自分のエリアをしっかりと守り切り、その上で点も取る。デュエルを攻守に重視している今のチームスタイルにも合っているし、何より得点の取れるDFはセットプレーにおいては非常に重要。

岩武 克弥: 6.5

アグレッシブに守るボニの傍で、その広大な守備範囲の僅かな穴(スペース,タイミング)をスッとカバーして埋める。本当に守備センスに溢れる選手。ボールの落下地点の予測と攻撃の最後の見極めはJトップクラス。細かいが、相手と競った時のヘディングをしっかりと味方の足元に付けられるなど、技術も高く、やはり岩武がいるだけでチームの安定感が違う。

 

山﨑浩介: -
福森 晃斗: -

 

 

MF

山田康太: 6.5

ボランチをやるようになってある程度時間が経ったが、やはりこの男…天才だったか。技術面は元々文句なしだったが、立ち位置の改善が著しい。すっかり中盤の選手として攻守に機能できるようになってきている。引き続きシャドーで見たい選手ではあるが、ここまで適応してきたのなら、3-4-2-1のボランチとしても欠かせない選手になっている。

小倉 陽太: 6.0

イエローは不運…ただ派手なスライディングが少し多い印象もある。誤審や退場のリスクもあるため、刈り取る以外の他の選択肢も少しずつ身につけていきたい。プレーの強度でリーグに順応してきた今、持ち味であるキックをもっともっと見たいため、ロングフィードやミドルの数を増やしてみて欲しい。

山根永遠: 6.5

すっかり守備を任せられる選手に。あとは、やはり縦の運動量と推進力が最大の魅力。ここ数節はそういったプレーが再び見られるようになってきている。もうWBとしてのプレーもだいぶ勘が良くなってきているし、加入当時のような思いきったプレーがまた増えてくることに期待したい。

細井 響: 6.5

特に守備では、プレー強度で全く負けることなく。既にリーグの強度に適応している逸材。あとは攻撃の部分でここから連携を深められるか。今節はチームとしての狙い(対角・背後へのパス)を意識するあまり、目の前のアダの動き出しを見逃すことが少し多くなってしまっていた。ここが見れるようになれば、左の攻撃も活性化することができて、もっとチャンスを増やすことはできたかもしれない。ただ、これだけプレーできるとなると、ロングスローもあるため、WBとしてもCBとしても先発に定着する可能性も。新保や他のCBと特徴が異なるため、相手によって起用を使い分けられるようになって、チームとしては大きな武器を手にしたことになる。

 

遠藤貴成: -
新保海鈴: -
窪田 稜: -
熊倉 弘貴: -

 

FW

ルキアン: 6.0

今節はワントップでのスタートとなったが、やはりDFを背負ってこっち向きでボールを受けるというより、裏に抜けてこそ良さが出る選手。献身的に守備もできるため、現状の形だとシャドーでのプレーがハマりそうか。真ん中からの裏抜けとなるとあまり縦のスペースが無いのと、斜めに走った時にゴールから遠ざかってしまうのが勿体無い印象。一点特化というより、実はユーティリティ性の高い選手なため、そこを活かせるように使っていきたい。

アダイウトン:6.0

少し同サイドの選手(細井,小倉など)と息が合わず、受けたい位置でなかなかボールを受けられなかったこともあり、この試合は少し沈黙気味に。

走って抜け出したラインの裏で貰ってというよりは、相手の最終ラインの手前辺りでボールを受けてから、ドリブルで何人か抜いたり、パスでチャンスメイクをしたいタイプ。

それでも、数は少なかったものの良い形でボールが入ればチャンスを何度も作っていたのはさすが。

ジョアパウロ: 6.5

ボールコントロールと対角へのロングボールは芸術。今節も囲まれることが多く、かなり相手からマークされるようになってプレーしづらそうではあるが、チーム内でもトップのクオリティを持った選手であるためそこは仕方ない。自由にプレーできれば間違いなくJ1でも最強クラスである事はおそらくバレてしまっているため、今後もこのマークが緩むことはないだろう。となれば、今度はアダイウトンが空いてくる事に期待できるため、囮のプランなど、チームとして構築していけるかに期待したい。相手としては同じエリアで同時に2人の選手に人数をかけて徹底マークすることは難しい。同サイドに置くのか、もう一人サポートで入れて近い距離で△を作るのかなど、検討してみて欲しい。

 

前田 勘太朗: 5.5

(IN - 後半19分)少し入ったタイミングも悪く、今節はカップ戦のような活躍とはいかず…ただ、目まぐるしく変わる非常に難しい展開の中でも、混乱して右往左往したりせず、物怖じせずにプレーしていたのが印象的で、改めてとてもポテンシャルの高い選手だと感じさせられる。FWの価値はメンタルが半分。チームが得点を取りたい場面に出てきて、得点を取ってくれることに期待したい。

伊藤 翔: -

 

今節はここまで

勝ちたかった、とも言えるが、よく負けなかった…とも言える試合。

狙いがハマった所、外れてしまった所、しっかりと分析して次に繋げて欲しい。

ひと時の崩壊状態と比較すれば、今は全く心配の無い状態には見えているが、ただ現状の立ち位置だと、ここから残留するには「心配のない状態」からもう一つ上げて「なかなか強い」くらいまでにならないと、捲っていくことは難しい。

このまま連勝もしないまま、どこかで負け込むようなことがあれば、小さなことから食い違って、あっという間にチームがバラバラになってしまう事を経験してきたはず。

ベースの状態は勝負できている今こそ、結果が欲しい。よく守れた時に攻撃が振るわない、得点できた時に限って守備に綻びができてしまう、今はまさにそんなフットボールあるあるの真っ只中だが、あるあるの状態で奇跡の残留を果たせるほどJ1は甘くないはず。

選手もそれを分かって、毎日厳しく準備をしてくれているはず。同じ道は辿らなければ残留できる所には立てている。絶対に物にして欲しい。

ということで、今節も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

それではまた次節です。

レビュー|第25節【2025】【J1】【横浜FC】

横浜FC vs 浦和レッズ (第25節)

f:id:sunset_football:20250811101425p:image

新体制(三浦体制)初陣で、リーグ戦が再開。

残留に向けて依然として厳しい状況が続くため、まずはこの大連敗を抜け出したかったが、今節も勝つことができず…

今回は、今のチームの狙いや変化、課題を中心に振り返っていく。

(文章を少しでも短くするため、敬称略ですのでご了承ください。チーム内で苗字が他の選手と被っている場合は、両選手を名前にて記載。例: 鈴木準弥選手→準弥)

メンバー表

f:id:sunset_football:20250811101439p:image

交代

【HT】

室井 彗佑 ▶️ 駒井 善成

山根 永遠 ▶️ 遠藤 貴成 

【後半11分】

櫻川 ソロモン ▶️ アダイウトン

【後半33分】

岩武 克弥 ▶️ 福森 晃斗

【後半41分】

ルキアン ▶️ ジョアパウロ 

 

全体評

守備は継続方向

低い位置:ブロック(5-4-1)を敷いて、マークを受け渡しながらあまり動きすぎずに、入ってきた所でマンツーマンで対応。

高い位置:ボールに近い位置から順に人に人を付けて、マンツーマン気味に捕まえいにいくハイプレス。

どちらも前体制(四方さん体制)から大きな変化は無し。

ただ、今節で言えば中盤でサヴィオが浮いてしまうことや、ゴール前でDFが余ってても失点してしまうことなど、ブロックやマークのミスマッチがここ最近の試合は特に続いている。この辺りは毎試合相手を分析、細かく立ち位置やマークの修正をするなど、丁寧に対応をしていく必要がある。

ブロックからマンツーマン気味に潰していくアレンジを続けているが、例えば、本当のマンマークを設けたり、試合によって相手の急所を突くようなリスキーで攻撃的な守備戦術も、個人的にはもっと見たい。

 

攻撃の核は、サイド攻撃から→「ダイレクトプレー」に刷新

前体制(四方さん)で行われていた遅攻:サイドに人を多く集めショートポゼッションで前進→良い状態を作ってクロスなどを狙う攻撃は、一旦廃止。

ボールを奪ってからは、ビルドアップをなるべく経由せずに素早い攻撃へ展開する「ダイレクトプレー」を攻撃のメインプランへ変更している。

そもそもダイレクトプレーとは

ワンタッチプレー(入ってきたボールをワンタッチでそのままパスやシュートに繋げるプレー)とよく似ていて混同することも多い言葉であるため、まず今回はchatGPTさんに簡単に説明してもらうところから。

(↓以下そのままコピペ + 特に今の横浜FCと関連性の高い部分には私の方で下線を引いている)----------

「ダイレクトプレー(Direct Play)」はチーム戦術を指します。

✅ ダイレクトプレー(Direct Play)とは?

→ できるだけ少ないパス数で、素早くゴールに迫ることを目的とした攻撃戦術です。

つまり、「速く・縦に・シンプルに」ゴールを目指すスタイルです。

🔍 特徴

縦パス重視:横パスやビルドアップで時間をかけるのではなく、縦方向にボールを運ぶ

ロングボールの活用:中盤を飛ばして前線にロングボールを送ることも多い

少ないパス数での攻撃:3~5本程度でシュートまで持ち込むのが理想

ポゼッションよりスピード重視:ボール保持率は低くても、効率よくゴールに迫る

セカンドボールを拾う意識:前線で弾かれたボールを素早く回収して二次攻撃へ

🧠 メリット

守備が整う前に攻撃できる(カウンターとの相性◎)

ボールロストしても相手の陣地なのでリスクが少ない

身体能力の高い選手を活かしやすい

⚠️ デメリット

パス精度やポストプレーが求められる

技術が劣ると「ただ蹴るだけ」になってしまいがち

守備を固めた相手には通用しにくい

📌 代表的な例

イングランド代表(伝統的)

アトレティコ・マドリードディエゴ・シメオネ監督)

ドイツの一部クラブ(守備的カウンター志向)

 

要するに、「遅攻」ではなく「速攻」を重視し、最短距離でゴールに迫るための戦術が「ダイレクトプレー」です。
プレースタイルに合った選手選考と、全体の連動が重要です。

(以上)--------

 

ダイレクトプレーは立派なチーム戦術の一つで、前線の強さなど現スカッドの特徴を見ればシナジー効果の高い戦術選択には映る。

要は後は、どれだけ上で書かれているようなプレーを全員でやり切れるか、ミスせずにできるか次第ということに。

 

横浜FC(2025)のダイレクトプレーと課題

◯戦術の中核(前提)は、やはりソロモンだろう。まずは彼がこの戦術の中核として、ロングボールやスルーパスに備えてどれだけ準備をできるか、ボールが入ってきた時に裏に抜け出す・収める・周りを使うことができるか。とにかくDFに対人で勝って、ダイレクトにゴールへ向かう方向付けをできるかが、これまで以上に今後はチームの指標になる。

ただ、ここは新加入のアダイウトンもさっそく違いを見せてくれたため、二人の競争になっていきそうだ。

最初のターゲットが明確になった以上、当然そこへ相手DFも集まってくるため、シャドーや同サイドのWBを主に、周囲の選手がどれだけ連携してサポート・活用できるかも高く求められる。

連携というとざっくりし過ぎているが、細かく言えば、相手の数的優位を埋めるために、近くに寄ってサポート(ボールを受けれるように)する・セカンドボールを拾いやすくするであったり、逆にソロモンやアダイウトンの個の優位性を活かす方に振り切って、ボールが収まることを前提に、すぐにスルーパスなどを受けれるようにゴール方向に動き出すであったり、プレー選択の判断とコミュニケーションを深めていく必要がある。

◯中盤(高い位置)でボールを奪う回数が増えれば、当然ゴールまでの距離も近いため、パス数本でゴール前に迫れる状況(理想的な形)を増やすことにも繋がる。

その狙いもあって、より奪う部分に期待できる岩武を今節はボランチで起用。実際にこの日は良い形でボールを奪うような場面も何度か見られた。

ただそれと同時に、奪ったあと次のパス(キック)の精度を欠いて、受け手と狙いは一致しているのに、ボールが流れてしまったりという場面も見られたため、いわゆる「ただ蹴るだけ」という状態になってしまう時間もあり、その辺りは大きな課題になった。

全体としてキック・パスを上達させろ!と言えばそれまでだが、そこは時間もかかるため、まずは選手の選考を変えるのか、あるいは、今はキックの精度が高い選手(山﨑や山田,新保)が蹴らずに横パスやバックパスに、精度の低い選手(他に特徴のある選手)が蹴ってしまってミスに…というシーンが多く見られているのを、もう一つ繋ぐのか、もう一つ早いタイミングにするのか、いずれにせよキック精度の高い選手が蹴れるように整理・意識付けをしたい。

単純に、蹴れる選手ほど失敗を恐れて蹴っていないように見える節もあるため、そこは成功率ではなく成功数を評価する環境をチームで作るであったり、メンタル面の工夫をしても良いかもしれない。

 

得点・失点分解

失点①:前半8分【小森 飛絢】

浦和のビルドアップから。

浦和:GKも交えて細かく後ろから繋ぐも、横浜FCのハイプレスに捕まりそうになった所でGK西川が長いボールで回避。

横浜FC:新保がそのボールを拾ってヘディングで室井へ繋ぐ。室井はワンタッチ・ターンで前を向こうとするも、そのボールをコントロールミスして、浦和の選手に拾われてしまいロスト。新保も繋いだ後に、ボールウォッチャーになって、なんとなく下がってしまっていたため、降りてきていた金子を空けてしまうことに。

浦和:金子フリーでボールを受けて、サイドから斜めにドリブルを開始。新保が遅れて寄せてそのまま付いていくも、距離があった所からだったため、後ろからになってしまい奪うことはできず中途半端な対応に。

浦和:バイタルエリア中央付近で金子は一旦フリーになっているサヴィオにボールを預ける。横浜FC:(この日、フォーメーションの噛み合いが悪くサヴィオを終始掴みきれず)

浦和:緩急で新保の背後に抜けた金子→サヴィオがそのままピッタリのスルーパス。少し反応が遅れてしまった新保、金子がフリーでシュート性のショートクロスを入れる。

横浜FC:しっかりクロスに反応したクバだったが、左手で弾いたボールが不運にも再度自身の右手にも当たってしまい、それがまた不運にもファーからゴール前に詰めていた小森の元へピンポイントへ向かう…。小森には山﨑がしっかりと付いていたが、最初にクバが触ったボールを蹴りにいっていたため、もう一度クバに当たって軌道が変わり、結果的に近付いていた山﨑を超えて小森に渡ってしまった不運…

その後も何とかごちゃごちゃっとはしたが、しっかり小森がそのまま押し込んで失点。

つまらないロスト(室井)でカウンターの起点を与えてしまったこと、金子に対して終始後手を踏んでしまったこと(特に直接対面した新保)は反省。斜めのドリブルに対してマークをもっと受け渡して対応するのか、チームとしても決めて修正をしたい。

ゴール前のところは、金子とサヴィオがスーパーだったとはいえ、人数も足りていたし当然守り切りたい場面ではあったが、少し不運も多く、守り切るのは難しったかもしれない…

失点②:後半8分【小森 飛絢】

押し込まれる時間が続き迎えた浦和のCKから。

浦和:ゴールから少し離れた所に密集を作りそこへボールを入れる。競り勝ったのは浦和。ボールがゴール方向に飛ぶと、グスタフソンに収まる。

横浜FC:何とかグスタフソンに付いて、動きを制限した山﨑。シュートは弾かれ横浜FC(岩武,ソロモン)の元へ転がる。ところがここで痛恨のクリアミス。少し二人でお見合いのような形になって、何とか岩武が蹴ったがボールは正面のソロモンに当たってしまいバイタルエリア付近に転がる。

浦和:外で待っていた金子が反応→針の穴を通す低いミドルシュートがゴールに届く。

横浜FC:ブラインドの選手が多く、クバにとっては非常に難しい場面。それでもしっかり読んで触ることはできたが、キャッチまでは至れず、前に弾く形に。ただ、一番近くの新保の元へ行き、とにかく触ってクリアができれば…という状況だったが、反応した新保は、左足を大きく降ってクリアのモーションに入ってしまう。

浦和:当然それを見逃さなかった小森。背後からスルスルと近づき、新保より早くボールへ触り、ゴール左隅へワンタッチで流し込む。

横浜FC:これにはクバの腕も届かず…失点。

セットプレーの中で、横浜FCに個人のミスがいくつか続き、浦和の選手がしっかりそこを見逃さず、一つ一つでスーパーなプレーを繋げてゴールまで。

ミスをしないというのは大前提だが、あと一つ言えば、クバから新保へ「後ろから来てるぞor触って出すだけでいいぞ」や、岩武とソロモンで「蹴るから避けて」など、声掛けができていたのか。できていなかったのなら、初歩的ではあるがまずはそこから改善が求められる。

得点①:後半54分【アダイウトン - アシスト:山崎 浩介 - プレアシスト:福森晃斗

オープンな展開。浦和の攻撃を横浜FCが中央でボールを奪って反転した所から。

横浜FC:福森が相手を少し引き寄せながら、横でフリーになった山﨑へワンタッチで蹴れるようなボールを渡す。山﨑はそのままワンタッチでロングフィード→浦和DFの背後に走るアダイウトン

浦和:横浜FCが再三背後を狙ってきていたことも布石になって、DFラインはすぐにアダイウトンと並走・追い越す対応。

ところが、山﨑が蹴ったボールは予想より伸びず少し手間で落ちる。

横浜FC:冷静に落下地点を読み、いち早く反応したアダイウトンが胸でコントールからターンで一人かわす。そのままゴール前に運んで、残すはDF1枚とGKのみ。ダブルタッチでDFを剥がし、その流れのまま、右足を振って、中央で待っていたGK西川が届かないコース(ニア)に速いゴールを決める。

圧巻の個人技が生んだスーパーゴール。ただ、それまでに何度も裏への抜け出しを見せていたことも相手DFへ影響したはず。

攻撃においては、やはり続けることが大事で、それをどこかで捻った時はチャンスになりやすい。大事なことをチームへ教えてくれるゴールにもなった。

 

個別評

(採点 + コメント)(10.0点満点,及第点を6.0に設定)(試合結果を採点に反映: 勝利時の平均を7.0、敗戦時の平均を5.0に設定)(出場時間35分以下は採点無し)

 

GK

ヤクブ スウォビィク: 5.5

クロス対応など守備範囲は市川に劣るが、セービングはクバの方が上。予測と判断力が高い。今節は失点こそしてしまったが、少し不運もあったり、どちらもノーチャンスとは言えないまでも非常に難しい場面ではあった。DF陣との連携もまだまだそうなため、今節のパフォーマンスを続けられれば、失点数は抑えていけそうだ。キックの精度は無いものは無いため仕方ない。むしろクバに何度も蹴らせてしまうCB陣の方に問題があると考えていい。

 

市川 暉記: -

 

DF

ンドカボニフェイス: 5.0

ボールに関わったプレー、いわゆる対人は今節もしっかりと。もうボニを正面からやり込められるFWはJ1にほとんどいないかもしれない。ただ、今節もこれまでと同じく、失点シーンにゴール前で誰のマークにも付けずに余ってしまうことが再現。ただここは相手FWがボニから逃げるため仕方ない部分もあるのだが…

ならばと出足速く出過ぎても、今度は肝心なゴール前を空けてしまうことにもなるし。この辺りの解決策をチームとしても考えたい。

山﨑浩介: 4.5

自分でも蹴れる場面で、例えばクバへ下げてしまう(クバが蹴ってロスト)や、もっと狭くて何もできない場所にいる新保に横パスをして結局再度バックパスを受けるなど、勿体無いことが多い。技術はチームCB内でもトップなのに、キックの試行数はおそらく一番少ない。今節のアダイウトンへのパス(アシスト)で自信を掴んで欲しい。チーム浮上の鍵は山﨑が半分握っている。

守備は槙人やボニに劣る、攻撃は福森に劣る、そんな特徴の無い選手になるのか、守備も攻撃もそれら特徴のある尖った選手に匹敵する攻守にオールラウンドな選手になるのか、チームが彼を必要としているこのチャンスを物にして欲しい。攻撃参加の回数ももっともっと増やしたい。特に左での出場時。右では出来ているため、左の時に不安な点があるのなら、チームとしても解決して欲しい。

能力(ポテンシャル)は間違いなく高い。それでももう加入から半年&年齢も若くない。ポテンシャルを実力に昇華したい。

伊藤 槙人: 5.0

チームの戦術(ダイレクトプレー)を理解して、積極的に意図のあるロングパスを何度も出し、押しあがって攻撃にも多く参加し、チャレンジ出来ていたのを好感。もちろん対人など守備に特徴のある選手であるため、キックの精度はあまり高く無いのだが…

2枚目のイエロー(退場)は少し運がなかったなと。あれだけスプリントで速度が出た状況で、ボールの方向が変われば、そこから走る方向を変えたところで外に膨らんでああいう形になるのは仕方がない。松尾が上手かったというべきか。こういう事もあるため、1枚目のような意図的なファールをなるべく序盤は避けるべきという反省だけして、切り替えて次に進んで欲しい。

 

福森 晃斗: -

 

MF

新保海鈴: 5.0

2失点に絡んだことで本人としてはとても悔しい試合に。どちらもほんの少しの判断ミスが失点まで繋がってしまい、まさにJ1の洗礼を受ける形に。

前半はあまり良い形でボールが入らなかったこともあり、攻撃で特段貢献することもできずにいたが、アダイウトンと福森が入ったことでリンクマンとして良いプレーを連発。

どっしりボールを持って一人で局面を変えるという形で使えば、守備の欠点ばかりが出てしまう。逆に周囲にそういったタイプ(アダイウトンドリブルや福森キックなど)を置いて、それらをサポートする役回りをする方が、インテリジェンスという彼の最大の能力を活かすことができる。

山田康太: 5.0

攻撃面は文句なし。欲を言えばもっと高い位置でプレーする回数を増やしたいが、そこはチームの設計の問題もあるため本人だけではなかなか解決しづらい。もっとボールを彼に集めてダイレクトにプレーできるように本人としてもチームとしても働きかけたい。

あとはボランチで出るなら、やはり守備面も同じくらい求めたいが、ここの問題がなかなか解決できない。読みがいいためプレーすべき位置でプレーはできているのだが、本職ではないため、対人でボールを奪うことがなかなかできていない。マークには付けているが、中盤でどうしてもボールを前進させられてしまうシーンも多くなっている。センスの高い選手であるためもしかして短い期間で習得できるかもしれないが、簡単ではない。頑張って欲しい。

岩武克弥: 5.0

ボランチの水準ならキックの精度が課題。もっとピンポイントで付ける技術が必要。それでも、パスの狙いや守備面は非常に良かった。戦術やチームメイトの特徴を深く理解できているからだろう。そういった選手をピッチの真ん中に置きたい意図もあって、今回は起用したのかもしれない。もっともっとそれを体現して、周囲へ伝播してくれることへ期待。

山根永遠: 5.0

ダイレクトプレーになったことで、推進力や特異なキックなど、今までより自身の特徴を活かしやすくなる選手の一人。ただ今節は精細を欠き活躍できないまま早々に交代。まだ少し以前のサッカーが体から抜けずに中途半端な状態になっているのかもしれない。しっかり切り替えて、思い切ったプレーで次節以降の活躍に期待したい。

駒井善成: 5.5

少ないタッチ数でボールを前進させていくことがチーム内で統一され、選手間でのズレが減少。そのことにより、駒井の持っているワンタッチの精度とアイデアが今まで以上に活きる環境になったように映る。攻撃的なメリットがもっと見られる予感。四方さんが抜けた心配もあったが、杞憂に終わりそうだ。むしろここからが駒井の真骨頂になるかもしれない。

遠藤貴成: 5.5

とにかく縦にボールを運ぶ、自分より前の選手にキックでボールを付ける、やることが限定されたことでさらに能力が引き出される形に。どちらも遠藤が得意とするプレー。守備面のテストはまだだが、文さんの志向するサッカーにも合っているし、もしかして次節以降に先発で試してくる可能性もある。

 

窪田 稜: -
小倉 陽太: -

 

FW

ルキアン: 5.5

縦の意識が増したことで、変に考えすぎる事も減って、良いチャンスメイクも増えて、アシスト未遂もあってと、プレーの質は確実に良くなっている印象。決めたかった決定機もあったため、あとは結果を出せるか。ダイレクトプレーをやるならこれまで以上に鍵を握る選手。チームとしてうまくやれば、彼の持っているゴールまでの形をそのまま体現することもできるはず。

櫻川ソロモン: 5.0

悪くはないが、チーム戦術の中心に据えられたことを考えると、今のままでは足りない。ボールが収まるのが50%、収まっても次のプレーに繋げられるのがそこからまた50%と、なかなかゴールに迫ることができない。ポストプレーにも色々な形があるため、本人にあった形をもっと研究して、周囲もうまく使いながら物にして欲しい。アダイウトンのようにゴリゴリドリブルでキープできるタイプではなく、チャンスメイクに向いているように見えるため、完全にボールを足元に収め切るのではなくて、プレーエリアから相手を追い出して最初のタッチで、状態の良い選手・スペースに展開できるようになれると面白そうだ。少し10番が入った偽9番として覚醒できそうだ。

あとは、絶好のチャンスはせめて枠にシュートを飛ばしたい…

室井彗佑: 4.5

技術もあってスピードもある、必要な能力を備えているのは間違いない。ただ今節もそうだが、プレーの強度・精度が上がってこない。チャンレンジしてボールを失うことはもっとチーム全体としても増えるべきだと思うが、室井の場合は単縦な判断ミスや認識不足でのロストが多くなってしまっている。今はまさに速いプレー環境に適応することができるかの瀬戸際に立っている。

アダイウトン:6.5 (sun-set MVP)

圧倒的な存在感。彼にまずボールを集めれば良いため、チームとしては凄く楽になり、あんなに苦労したゴールも、僅かな時間でほぼ独力でこじ開けてくれた。

懸念されている守備面だが、ハードワークという感じはほとんど見られないものの、ひとまず今節を見る限り読みよく最低限立つべき位置に立てていた(制限をかけていた)のを見て少し安心はしている。

それに、ボールを奪ってひとまずチームとしてロングボールを前線に付けて陣地回復を図りたい時に、アダイウトンの所で即ロストというのがほとんどなかったため、陣形を整える時間が十分に取れて、全体的な目で見れば守備面でも凄くチームに貢献していた。

これだけ目立てば、今後は必ず彼のところにマークが集中するが、逆にその側にはどんどんスペースやチャンスができてくる。チームとしてそこを突けるような準備を進めていきたい。

懸念点はスタミナ。攻撃が落ちるということはないだろうが、疲れた時に本当に守備をしなくなっていたので、ここは守備免除みたいな形で、他の10人で守る形をオプションとして用意して、アダイウトンは前線に残すことをチーム内でハッキリと決めてしまった方が良いかもしれない。

 

ジョアパウロ: -

伊藤 翔: -

 

今節はここまで

アダイウトンのプレーは一筋の光をチームに見せた。束で守って個人で攻める、イバレドミ以来そんなサッカーが三ツ沢に戻ってくるかもしれない。

それができないからどのチームも苦労しているわけで…

もしそれがJ1でもできるようになってしまえば、残留争いからは確実に抜けられるだろう。

残留できる中段層は、束で守って個で攻めるか、束で攻めて個で守るか、それができているチームが多い(優勝争いをするようなチームは、個でも束でも攻めて守れるが…)。

これまでは束で守って、攻めるのも束になってという形で無理をしてきたが、結果的にどちらも中途半端になってしまっていた。

追い詰められた今だからこそ、割り切って、覚悟を決めて、そういったプランに変更し始めているのが良い方向にいくことを願う。

ということで、今節も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次節ですが、所用で書く時間が取れなそうにないため、おそらくお休みになるかと思います🙇‍♂️